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沖縄県におけるSDGsの取り組みとは?沖縄県の抱える課題からわかりやすく

沖縄県が抱える課題①貧困

沖縄県では、貧困や健康・福祉、ジェンダー問題、教育などさまざまな課題の改善を目標として掲げています。なかでも、貧困問題は非常に重要視している課題です。2019年度に内閣府が発表した「県民経済計算」によると、沖縄県の一人当たりの県民所得は約239万6,000円でした。一方、厚生労働省が公表している2021年度の「賃金構造基本統計調査」によると、沖縄県の平均年収は約250万8,000円です。全国の年間平均賃金が約307万4,000円、最も高い賃金だったのが東京都の約364万2,000円となっています。

沖縄県の賃金は、全国平均と比較すると50万円以上も低く、ランキングでいえばワースト第5位です。2019年度の平均年収よりもアップしているとはいえ、全国平均にはまだ追いついていない状態といえます。

沖縄県は離婚率が非常に高い

貧困家庭が多いのは、沖縄県の離婚率の高さが大きな原因の一つといえるでしょう。沖縄県の離婚率は、2.20%で全国第1位、しかも19年間連続で第1位となっています。2021年度の「人口動態統計」を見ると県内の離婚件数は3,187件、一方、婚姻件数は7,020組、前年度より減少しているものの、婚姻率は4.2%で全国2位です。沖縄県は結婚・離婚する人が非常に多く、若年出産をする女性も少なくありません。また、若年結婚・出産は離婚率も高いうえ、若くして結婚したことで高等教育を受ける機会を逃す人も多いです。これによって生活賃金の低下を招き、貧困につながっています。

子どもが貧困によって教育・生活ができない状態に

沖縄県では、経済的な困難がある子どもの割合が非常に多い状況です。令和4年「沖縄県子どもの貧困対策計画」によると、2021年度における困窮世帯の割合は23.2%、食料を購入できない経験がある子どものある世帯が20.2%、衣服を購入できない経験がある子どものある世帯が23.0%もあります。また、要保護の子どもの状況として、就学援助が必要な世帯が24.13%(小・中学生期)となっており、これは全国2位の数字です。子どもたちは、非常に厳しい環境にあり、児童虐待相談件数は1,835件、大学などの進学率は40.8%(全国47位)となっています。

沖縄県ならではの物価の高さ

沖縄県は、本州と離れた島であり、本州の商品が運び込まれる際に飛行機・船が利用されています。そのため、商品には輸送費が上乗せされているケースが多く、本土より高い金額で購入しなければなりません。地元の農産物自体はリーズナブルに購入できたとしても、収入自体が低い傾向のため、全体的な出費の割合は決して低くないのが現状です。令和4年度8月分の「那覇市の消費者物価指数」を見ると、前年度の同月と比較して以下の項目が軒並み上昇しています。

・食料品:5.7%増
・生鮮食品:11.9%増
・水道・光熱費が11.2%増
・住居費:1.2%増

こういった物価の高さも、貧困を招く原因の一つです。

雇用環境の改善などの取り組み

沖縄県では、「沖縄県子どもの貧困対策推進基金」を創設して必要な支援を行ったり、女性のおしごと応援事業で雇用環境の改善をしたりすることに取り組んでいます。これにより、人材投資効果が経済に還元され、経済が活性化することで雇用が増える相乗効果も期待できるでしょう。また、貧困対策として持続可能な食支援体制も構築しています。

沖縄が抱える課題②肥満・糖尿病の増加

1970~1990年代の沖縄県の平均寿命は、日本でもトップクラスでした。しかし、2019年に厚生労働省が発表した「健康寿命の令和元年値について」によると、沖縄県の平均寿命は男性が72.11歳(40位)、女性が75.51歳(25位)と順位が下がっています。一方、2018年に沖縄県医師会が公表した65歳未満健康・死亡率改善プロジェクト「働き盛り世代の健康づくり」によると、沖縄県では65歳以下で亡くなる人が非常に多いことがわかっており、男性がワースト5位、女性も4位です。特に大きな健康問題としては、肥満が挙げられます。

沖縄の大きな問題である肥満

厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査報告」によると、沖縄県の男性のBMI平均値は24.1で全国第11位、女性は23.8で第2位(男女どちらも他県同順位含む)でした。全国平均値は、男性23.8、女性22.6のため、沖縄県は男女ともに肥満率が高いことがわかります。さらに、大人だけではなく子どもの肥満も大きな問題です。2019年に沖縄県教育委員会が発表した「沖縄県学校保健統計調査報告書」によると、6~14歳までの児童のうち、特に9~14歳までの児童の肥満度が高い傾向でした。糖尿病は、成人病の一つとなり、さまざまな病気を招きかねないため、予防を心がけることが求められています。

肥満が多い原因は、アルコールの過剰摂取や欧米化した食事、運動不足などです。アルコールには、糖分も含まれているため、過剰摂取すればその分、糖分まで過剰に摂取してしまいます。さらに、米軍基地ができたことで島内に洋食の文化が伝わり、それが浸透したことも肥満の原因の一つです。戦前の沖縄では、低カロリーでどちらかといえば、野菜が多めの食事が一般的でした。しかし、洋食が伝わってきてからは炭水化物中心の食事に変化してきています。

また、沖縄は車社会のため、免許を取得すると徒歩で出かける機会が少なくなる傾向です。高校までは、授業で体育があったり、部活で運動をしたりと体を動かす機会もありますが、卒業後はすっかり運動不足になった人も少なくありません。

健康おきなわ21

沖縄県では、「健康おきなわ21」を策定し、以下のような目的で県民の健康促進をサポートしています。

・生活の質を向上する
・健康寿命を延ばす
・早世の予防など

健康おきなわ21のホームページ上では、2040年までに男女とも平均寿命日本一を目指し、健康のためにできる情報を掲載中です。例えば、「うちなー予防めし」と呼ばれている沖縄県栄養士会考案の免疫機能低下・感染症予防に役立つレシピの紹介があります。沖縄にある身近な食材や、沖縄料理をアレンジしたものが多く、画像付きでレシピが公開されているため、わかりやすいです。また、企業向けには「職場でできる健康づくりモデル」、県民向けには「スポーツ周遊コースの紹介」などを行っています。

沖縄が抱える課題③気候変動

地球温暖化が世界レベルで問題になっており、沖縄気象台が発表した「沖縄の気候変動監視レポート2022」によると、沖縄県も約100年前と比較すると1.69度も気温が上昇している状態です。また、沖縄を含めて日本全国でSDGsのさまざまな工夫を行っていますが、2000年ごろと比較して2100年ごろの年平均は3.3度上昇することが予想されています。また、沖縄の最高気温は35度以上の猛暑日が0日から57日に増える予想です。

火力家電に頼らざるを得ない環境

日本の本土(本州)では、化石燃料を使用しない太陽光発電の活用が多くなっています。また、原子力発電や水力発電なども利用し、電力の供給を行うことが可能です。一方、沖縄では立地上、活用できるものは火力発電が主となっています。火力発電は、化石燃料を大量に使用しなければならないため、二酸化炭素の量が必然的に多い傾向です。

車社会による排気ガス量の増加

上述したように、沖縄は車社会となっているため、移動の際に車を使用する人が多い傾向です。また、沖縄を訪れる観光客も移動に便利なレンタカーを利用する人が少なくありません。さらに、人口が増加したことで沖縄の昔ながらの森林も伐採されるようになったことも、温室効果ガスの排出量が増えている原因の一つです。

SDGsの取り組み

2020年10月に日本政府は、「2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロへ」というカーボンニュートラルの目標を発表しています。沖縄においても、「沖縄県地球温暖化対策実行計画」を実施していく予定です。例えば、90%が火力発電に頼っている現状(2020年現在)から、今後は石炭よりガスの排出量が半分程度になる液化天然ガスを火力発電に使用することを見込んでいます。ほかにも、太陽光エネルギーや風力といった再生可能エネルギーを使用した発電所を増やしていく計画です。

今後、生活していくうえでも自動車は必要となるため、排気ガスが出る車ではなく、EVやPHVといった電動自動車導入も推進されています。同時に、できるかぎり徒歩で行ける場所は車を使わずに歩いたり、自転車を利用したりするなどして、省エネルギー行動も実践していく予定です。また、自家用車を利用する機会は減らし、公共の交通機関を利用することも推奨されています。そのため、公共機関の利便性を高め、県民が利用しやすいように機能強化や、ICTの導入などが進行中です。

参考

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