Leader and officials from six countries signed a pact aimed at protecting the Amazon rainforest on Friday. Reuters
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アマゾン森林保全 ~火災に取り組む「レティシア協定」~ 南米の関係各国が署名

9月6日(金)にアマゾンの森林を保全する協定が関係する南米の7カ国によって署名されました。

8月27日にペルーのプカルパで行われたペルーとコロンビアの2カ国会談にて、最近の熱帯雨林での火災の多発を受けて、両首脳が関係各国に提案した緊急首脳会議です。

場所

コロンビア南部のレティシア
議長国コロンビア最南端の都市であり、アマゾンの主要な港の1つである。コロンビア、ペルー、ブラジルの国境が交わるところにある。

参加7カ国

    • コロンビア
    • ボリビア
    • ペルー
    • エクアドル
    • スリナム
    • ガイアナ
    • ブラジル

ブラジルの大統領ボルソナロは8日にヘルニアの手術を控え医師から安静にするよう指示が出ていた。6日は流動食のために渡航は難しいとのことで、代理で外相を送り自身は電話で会談に出席した。
アマゾンの流域国の一つであるベネズエラは、今回の会議に招待されていない。ベネズエラでは、野党の指導者が暫定大統領を名乗り二人の大統領が並び立つなど政治的に不安定で、さらにベネズエラの現大統領マドゥロは反米右派でブラジルなどと敵対している。
フランスは流域国の仏領ギアナを有するが、今回の会議には呼ばれず(以下にフランスとの不仲をコラムで紹介)。

内容

各国はアマゾンの森林火災の防止と軽減について協力することを確認しました。
大枠を以下の通りです。

  • 違法伐採などを監視し情報を共有することで、アマゾンを違法行為などから保全する。
    違法行為についての監視機関の弱体化により森林伐採が急増、衛星などで監視の強化を図る。
  • 大規模な森林火災など緊急時に効果的に対処できるようにネットワークを構築。
  • 農村部での野焼きの禁止や、野焼きの代替策を推進する。
  • 自然災害や違法行為によって損なわれた森林の再生に取り組む。

また持続可能な開発のため、先住民の社会の役割を強めることにも取り組むとしました。

コラム〜先住民〜

アマゾンには100万人もの先住民が暮らすという。9割にあたる90万人はブラジルに住んでいます。
そんな彼らは先住民保護区に住むが、企業優先の政策を進めるブラジルでは、
近年、侵入者によって土地が奪われ、違法な森林伐採が急増おり、国や自治体による先住民の保護が叫ばれていました。
7月22日にはブラジルでワイアピ族の指導者が殺害され、数日後集落が採掘業者に占領されるという事件がありました。

ブラジルの対応

アマゾンの60%はブラジルにあります。
「アマゾンは我々のものだ、(先進国は)アマゾンの鉱物資源などを支配しようとしている」
「各国がそれぞれの(アマゾン開発)政策を進められるように強い態度で主権を守らなければならない」と主張しました。
欧州の干渉を排除する考えだ。この発言は、国際的な支援を求める周辺国との温度差が感じられるものでした。

コラム~ブラジルの態度・フランスとの不仲について~

今年6月のG20で両国の首脳会談でブラジルは「パリ協定から離脱しない」と述べ、地球温暖化に取り組むと約束しました。
だが8月23日、アマゾン火災への取り組みに消極的なボルソナロの態度を見て、フランス大統領マクロンは「嘘つきだ」と述べた。これをきっかけに両国はアマゾン火災への対応について対立関係になります。

今年8月フランスで開かれたG7でブラジルにアマゾン火災をめぐり2200万ドルをブラジルに支援することを表明しました。
一方で、ボルソナロはマクロンが嘘つき発言を取り消さない限り受け入れないと反発したのです。
さらに、G7はアマゾンを救うと言って、我々を植民地にしようとしているとツイッターで非難しました。

また、8月5日にはブラジル外相がフランス大統領夫人ブリジット夫人は「醜い」と発言しました。
それにブラジル大統領ボルソナロは賛同するコメントを述べるなど、現在も両国の関係は冷めきった状態にあります。

所感

今回の取り決めは、「〜を強化する」「〜に取り組む」など抽象的な内容だったように見受けられました。
この会議自体は、アマゾン流域国が内外にちゃんと取り組みを行うことを確認し、
取り組んでいくことを表明する場であったように思いました。