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サーキュラーエコノミー(EC)〜廃棄物を出さない社会の始まり〜

欧州を中心に注目の集まっているサーキュラーエコノミー(EC)についての解説をしていきます。
以下に理解の手助けとなる動画を用意しましたので、ご覧いただくとより理解が深まると思います。

定義

「サーキュラーエコノミー」はECと略され、日本語では循環型社会、循環経済などと訳されます。

従来廃棄されていたものを資源と捉え、生産・消費・廃棄の段階で資源を循環させることで廃棄物を出さず
環境にも経済にも持続性を持たせる新しい経済活動のことを「サーキュラーエコノミー」といいます。
資源が円を描くように循環するのでサーキュラーと付いているのです。

一言で言えば、再生し続けゴミを出さない経済です。

廃棄物を「無駄」と捉えると、他にも「活用されていないもの」も無駄になり、
それらを有効に活用していくことで富を生むこともサーキュラーエコノミーの一部です。

特徴

どんな特徴があるのでしょうか、今の経済との違いを見ていきましょう。

今までの経済と何が違うのか?

従来の経済

従来は製品開発から廃棄までの道のりは一方通行です。
この一方通行の経済をリニアエコノミーと言います。大量生産、大量消費、大量廃棄の線形経済です。。
ここには多くの無駄が存在します。

サーキュラーエコノミーの目指す経済

図の通り、各段階において資源は循環しているためこのサイクルに終わりがないのです。
再生可能資源を使うので原材料への依存が減ります。
また先ほどの各段階において生じる無駄は富に変えることができます。

また今までは、企業にとってリサイクルなどは環境問題のためにやっていました。
ですが、戦略コンサルティングのアンセクチュアが2015年11月に「CEに移行することによる経済効果は2030年までに4.5兆円」と発表しました。なので、CEへの移行は新たなビジネスにもつながりコストを削減しつつ利益を出すことができるのです。

また、サーキュラーエコノミーは3Rを中心とする循環型社会とは違い、
環境問題や社会問題、経済問題までもを統合して解決することができるのです。

5つのビジネスモデル

サーキュラー・エコノミーを抽象的な概念にとどまらせず、ビジネスの現場に適用して経済的な効果を上げるには、実用レベルのビジネスモデルに落とし込む必要があります。そこでアクセンチュアは、革新的な方法で資源効率性を向上させている120社以上の企業を分析し、ビジネスモデルの5つの類型を特定しました。

再生型サプライ:繰り返し再生し続ける100%再生/リサイクルが可能な、あるいは生物分解が可能な原材料を用いる。
回収とリサイクル:これまで廃棄物と見なされてきたあらゆるものを、他の用途に活用することを前提とした生産/消費システムを構築する。
製品寿命の延長:製品を回収し保守と改良することで、寿命を延長し新たな価値を付与する。
シェアリング・プラットフォーム:Airbnb(エアビーアンドビー)やLyft(リフト)のようなビジネス・モデル。使用していない製品の貸し借り、共有、交換によって、より効率的な製品/サービスの利用を可能にする。
サービスとしての製品(Product as a Service): 製品/サービスを利用した分だけ支払うモデル。 どれだけの量を販売するかよりも、顧客への製品/サービスの提供がもたらす成果を重視する。(出典:無駄を富に変える:サーキュラー・エコノミーで競争優位性を確立する

世界の動き

  • EU
    2015年、CE実現に向けた行動計画などを示した「サーキュラーエコノミー・パッケージ」を欧州委員会が採択。
    2018年秋、ISO規格化に向けた専門委員会が設置。
    NGO頑強に負荷をかける企業にプレッシャーを与え、それに対応して消費者も不買運動を起こしています。
  • 中国
    第13次五カ年計画のメインテーマにECを設定。
    EUとのCEに関する共同声明に署名。
  • その他
    アメリカやカナダ、オーストラリアなども活発な動きがありあます。
    新興国のインドネシア、インド、台湾などもEU企業とビジネスマッチ。
    英エレンマッカーサー財団は世界経済フォーラムやマッキンゼーと協力して「サーキュラー100」を立ち上げました。

日本では

ここでもう一度従来とサーキュラーエコノミーの比較図を見ていきましょう。

日本はリサイクル中心のリサイクルエコノミーです。
これは一部循環はしていますが、廃棄物が出ることで循環が止まり最終的には一方向の消費になってしまっていますね。
日本のサーキュラーエコノミーの導入は、世界に後れを取っています。

また日本の消費者は環境問題への意識が欧米と比べて低いことから、
企業は環境問題に配慮しているということは差別化のポイントにならないと考えて、日本の企業の取り組みは進んでいません。

また環境への対応はCSRで、サーキュラーエコノミーは3Rの一環と捉えがちだがそうではないのです。
サーキュラーエコノミーは新たなビジネスを生み、利益をもたらすことを理解していな人が多く、
まずはサーキュラーエコノミーがどんなものかを知ることが、日本には必要です。