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気候行動サミット〜グレタトゥーンベリ「よくもそんなことを」に現れた憤り〜トランプ大統領は若き環境家にも皮肉的なツイート〜

首脳に「あなたたちを許さない」16歳高校生グレタさん訴え

9月23日、アメリカのNYで国連による「気候行動サミット」が開かれました。そこでは、若き環境活動家グレタトゥーンベリさんも出席しました。彼女は開会式で世界のリーダーたちに向けてスピーチを行いました。

グレタトゥーンベリを知らない方はこちらをご覧ください。
<関連記事>特集 グレタ・トゥーンベリとは何者??

気候行動サミットでのスピーチ「How Dare you (よくもそんなことを)!」

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How Dare you !
この言葉は彼女の4分30秒ほどのスピーチの中で、4回ほど繰り返されました。
意味は「よくもそんなことを」です。彼女の「憤り」が現れた言葉です。
この4回の「How dare you !」に注目して、今回のスピーチを見ていこうと思います。
英語・日本語ともにスピーチ全文を、記事の最後に用意しました。興味のある方はご覧ください。

  1. 彼女は冒頭で、「私はこんなところにいないで学校にいるべきなんです」と述べました。
    一方で、自分たちの代では対策もしようとしないで、「若者に環境問題の解決の希望を見出そうとする」出席者への憤りの言葉として使われました。
  2. 環境問題によって、「多くの人が苦しみ、多くの人が死んでいる。そして全生態系が破壊されている。」と彼女は述べます。
    ですが、出席者は「お金のことや、いつまでも続く経済発展のおとぎ話」しか語り合わないと憤りを現しました。
  3. 「科学は30年以上環境問題について訴えかけてきました」「けれど、あなたたちはそれを無視し続けた。」との述べます。
    無視し続けたことで、現在のような状況を招き、未だに無視し続けようとする各国のリーダーたちへの憤りを表現しています。
  4. 「このままでは、8年半で気温上昇を抑えるCO2の許容排出量を超えてしまいます。」と述べました。
    ですが各国のリーダーたちは、技術に頼って、今までのやり方を続けようとする姿勢がぬぐえません。このいつまでたっても変わろうとしないことへの憤りです。

グレタトゥーンベリ VS トランプ大統領

出席する予定のなかったトランプ大統領が会場に姿を現しました。
登壇の機会を与えられていなかったので、会合見守る形で15分程度会場に滞在しました。

グレタトゥーンベリはトランプ大統領を国連のロビーで見かけ、環境問題について懐疑的な彼を力強く睨めつけました。

このグレタの行為は、多くのツイッターユーザーを団結させることになりました。
We are all Greta(わたしたちはみなグレタ)」のメッセージの元に、多くユーザーが集結したのです。

グレタトゥーンベリがスピーチを行った日と同日の23日、トランプ大統領は彼女を皮肉るようなツイートをしました。

「彼女は明るく素晴らしい将来を夢見るとても幸せな少女だ。会えてとても嬉しい。」

この引用元のグレタトゥーンベリの国連での演説では、幸せそうなシーンは一度もありません。
トランプ大統領のこういった皮肉のようなツイートは珍しくないのはご存知の通りです。
ですが今回ばかりは、若者への批判ということで多くの非難が集まりました。

この皮肉に対してグレタトゥーンベリは、Twitterのプロフィールを変えて大人な対応を見せました。


(出典:16歳の環境活動家グレタさん、トランプ大統領の皮肉にプロフィール変更で大人の対応

まとめ

今回も、素晴らしいスピーチでした。
彼女はスピーチの最後で、「今日ここで、新たな世界への線引きをする」ことを宣言しました。
また続けて、「あなた方が望もうと、望むまいと」とスピーチは括られています。

未来を生きるのは現各国のリーダーではなく私たち若者だ。
私たち若者の未来を考えてくれないのであれば、わたしたちが未来を選択する。

こう言っているのだと思います。

これからも国のリーダーたちに裏切り続けられた場合、

私たちの未来はどうなっていくのでしょうか?
読者のみなさんのお子さんの未来はどうなるのでしょうか?
将来生まれてくる、私たちの赤ちゃんの未来はどうなるのでしょうか?

政治があまりわからない人、興味がない人。
ですが今後の日本を決めるのは、私たち国民に選ばれた政治家です。
わたしたちの選択はこれまで以上に、大きく国を変えていくのではないでしょうか?

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グレタトゥーンベリのスピーチ(全文)

今回グレタトゥーンベリが気候行動サミットで行なったスピーチの、全文を英語と日本語で載せておきます。

英語

this is all wrong. I shouldn’t be standing here. I should be back in school on the other side of the ocean. Yet you all come to me for hope? How dare you! You have stolen my dreams and my childhood with your empty words. And yet I’m one of the lucky ones. People are suffering. People are dying. Entire ecosystems are collapsing. We are in the beginning of a mass extinction. And all you can talk about is money and fairytales of eternal economic growth. How dare you!
For more than 30 years the science has been crystal clear. How dare you continue to look away, and come here saying that you are doing enough, when the politics and solutions needed are still nowhere in sight.
You say you “hear” us and that you understand the urgency. But no matter how sad and angry I am, I don’t want to believe that. Because if you fully understood the situation and still kept on failing to act, then you would be evil. And I refuse to believe that.
The popular idea of cutting our emissions in half in 10 years only gives us a 50% chance of staying below 1.5C degrees, and the risk of setting off irreversible chain reactions beyond human control.
Maybe 50% is acceptable to you. But those numbers don’t include tipping points, most feedback loops, additional warming hidden by toxic air pollution or the aspects of justice and equity. They also rely on my and my children’s generation sucking hundreds of billions of tonnes of your CO2 out of the air with technologies that barely exist. So a 50% risk is simply not acceptable to us – we who have to live with the consequences.
To have a 67% chance of staying below a 1.5C global temperature rise – the best odds given by the Intergovernmental Panel on Climate Change – the world had 420 gigatonnes of carbon dioxide left to emit back on 1 January 2018. Today that figure is already down to less than 350 gigatonnes. How dare you pretend that this can be solved with business-as-usual and some technical solutions. With today’s emissions levels, that remaining CO2 budget will be entirely gone in less than eight and a half years.
There will not be any solutions or plans presented in line with these figures today. Because these numbers are too uncomfortable. And you are still not mature enough to tell it like it is.
You are failing us. But the young people are starting to understand your betrayal. The eyes of all future generations are upon you. And if you choose to fail us I say we will never forgive you. We will not let you get away with this. Right here, right now is where we draw the line. The world is waking up. And change is coming, whether you like it or not.
(出典:If world leaders choose to fail us, my generation will never forgive them

日本語

全てが間違っています。
本来なら私は海の向こう側で、学校にいるべきなのです。それなのにまだ、あなたたちは私たちの元に来ている。若者に希望を見出そうと。
よく、そんなことができますね。
あなたたちは実体のないことばで、私の夢を、私の子ども時代を奪ったのです。
それでも、私は幸運な者の1人です。人々は苦しんでいます。人々は死んでいます。生態系全体が崩壊しています。
私たちは、まさに大量絶滅の始まりにさしかかっているのです。
そしてあなたたちが語り合うのは、お金や、途絶えることのない経済成長のおとぎ話だけ。
よく、そんなことができますね。
30年以上前から、科学がもたらす答えはとても明確でした。よく、見ないふりをし続けて、ここで「十分やっている」と言えますね。必要とされる政策や解決策の目処すら立っていないのに。
あなたたちは言います。私たちの声は聞こえている、緊急性を理解していると。しかし、どんなに私が悲しくても、怒っていても、それを信じたくはないのです。
もしあなたたちが本当に事態を把握していながら行動に移さないのであれば、それは邪悪でしかありません。だから、私は信じません。
今後10年で(温室効果ガスの)放出を半分に減らす案がありますが、それでも気温が1.5度下がる可能性は50%しかありません。人間の手中にはおさまらないような、決して後戻りのできない連鎖反応が起きるリスクがあります。
きっとあなたたちにとって、50%という数字は受け入れられるものなのかもしれません。
しかしこの数字には含まれていないことがあります。
「ティッピング・ポイント」(氷床や熱帯雨林の現象など、地球の気候を構成する要素に急激な変化が生じる転換点)や、「フィードバック効果」の連鎖(温暖化によって生じる現象が新たな温暖化を引き起こすこと)、有害大気汚染に隠されたさらなる温暖化、「気候正義」や「気候の公平性」の問題(少数の国・人々がエネルギーを大量消費して温暖化を進める一方で、多くの貧しい国・人々がその被害を被っており、その不公平さを正すべきだという考え)についてなどです。
加えてこの数字は、私たちや私たちの子どもの世代が、何千億トンもの二酸化炭素を空気中から吸収してくれるだろうという予測に頼っています。その技術は存在すらしていません。
こうなると、50%という数字は、私たちにとっては受け入れ難いものになります。その結果と生きていくのは、私たちなのですから。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が出した最高値を見ても、地球全体の気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は67%です。とすると、2018年1月1日に遡っても、世界が放出できる二酸化炭素量はあと420ギガトンです。
今日ではその値があと350ギガトンまで減っています。
それなのによく、この問題が解決できるかのようなふりができますね。変わりばえのないやり方で、技術に頼って。
今の放出レベルでは、8年半以内に二酸化炭素の許容放出量を超えてしまいます。この値に沿った解決策や計画は、未だ提示されていません。
なぜなら、この値はあなたたちにとって不都合すぎるからです。あなたたちが未熟なゆえ、現状をありのままには伝えられないのです。
あなたたちは、私たちを失望させています。しかし、若者たちはその裏切りに気づきつつあります。未来の世代の目は、全てあなたたちに向けられているのです。
それでもなお私たちを裏切る選択をするのであれば、言わせてください。
「私たちは決してあなたたちを許しません」。今、ここで、線を引きます。
世界は目を覚まし始めています。変化も訪れ始めています。たとえあなたたちが気に入ろうと、なかろうと。
(出典:「よくもそんなことを」グレタ・トゥーンベリが気候サミットに登壇 スピーチ全訳