こんにちは、ロカボラボです。
2019年10月1日からJRウォータービジネスが自動販売機のドリンクのサブスクリプション(定額制)を始めるということで、
ペットボトルについての記事を書くことにしました。
後半には、このサブスクリプションを環境問題の点から見ていこうと思いますので、最後までご覧ください。
記事全体の流れ
ペットボトルの生産量と回収量
それでは早速ペットボトルを見ていきましょう。
ここから生産量が増えているのはわかりますね
この表はPETボトルリサイクル推進協議会の情報を元に作成したものです。
また回収率は生産量ベースに考えました。
回収率が年々向上しているのがわかるかと思います。
回収されていないペットボトルの本数は何本なのでしょうか?
ここではPETボトルリサイクル推進協議会に記載されている2016年の情報を元に考えていきたいと思います。
ペットボトル販売数量 | 227億本 |
ペットボトル回収率 | 88.8% |
未回収ペットボトルの本数 | 27億本 |
見てください、回収率が上がったとしてもまだまだ27億本ものペットボトルは回収されていません。
これらのペットボトルはゴミに捨てられる、ポイ捨てされる、
または回収ボックスなどから風に飛ばされるなどして川に行き、最終的に海流れ着くのです。
世界では
世界でも多くのペットボトル飲料が販売されました。
以下はThe Gurdian誌「A million bottles a minute: world's plastic binge 'as dangerous as climate change'」を元に作成しました。
2006年 | 3000億個 |
2016年 | 4800億個 |
1分間で100万本、1秒では2万本ものペットボトルが消費されています。
このままいくとペットボトルは20%増加した5833億本に達すると言われています。
海洋問題へつながるペットボトル
海洋ゴミの8割は陸からくるものと言われています。
先ほどん未回収のペットボトルも雨や風の影響で側溝に流されそのまま川へ行き、最終的に海へたどり着きます。
プラスチックは400年間分解されることはないと言われていて(NOOA/Woods Hole Sea Grant)、一旦海に流されたペットボトルは太陽光や波の作用などを受けて、海洋の生態系に多くの被害を長期間にわたってもたらします。
2050年にはプラスチックゴミの量が海にいる魚の量を超えるという報告もあり(環境省より)かなり深刻な問題です。
最近になって海洋のプラスチックのゴミ問題について注目され国際的にも対策に乗り出しました。
海洋のプラスチックについての記事を書きましたので、興味のある方はぜひご覧ください。
「マイクロプラスチックとは?マイクロプラスチックが引き起こす問題と取り組み〜プラスチックだらけの私たち〜」
まだあるペットボトルの問題点
みなさんは、ペットボトルはリサイクルされるから環境に優しいと思ってませんか?そんな常識が覆ります。
詳しく書くと長くなってしまうので、
「日本のプラスチックのリサイクル率が低い訳とは」と「日本はゴミを輸出していた!?世界に影響を与えた中国ショックとは?」をぜひ読んで欲しいです。
この記事に書いてあることはこれからの世界のトレンドになるような問題についての内容が書いてありますので、ぜひ知っておいて欲しいです。
「そんな時間はないよ」という方に向けて簡単にまとめますと、
我々が出したプラごみはリサイクルしたと言われている量の7割程度は焼却され、
残りの3割からなんと2017年には150万トンほどのゴミを輸出していました。
そして受け入れ先は中国で日本から輸出されるゴミの5割以上は中国に輸出されていました。
ですが、そんな中国も世界各国からのゴミの輸入を禁止すると宣言し世界に激震を与えました。
日本は輸入していた分のゴミを処理する能力はありません。
各自治体ではゴミが処理できずに溢れかえっているそうです。
そんな中国ショックは、世界が本腰をあげてプラスチック問題を解決する契機になったのです。
そんな中、始まろうとするドリンク定額サービス。
JR東日本ウォータービジネスは、
10月1日から自動販売機の定額制サービス(サブスクリプションサービス)「every pass」を始めることを発表しました。
これは都内に400個設置されているアキュアブランドの自販機で専用アプリ「acure pass」をかざすことで、
月額2480円(初月980円のプランも選択可能)1日1本対象商品を受け取ることができるサービスだ。
ここまでの記事を読んでくださった方は、もう何がおかしいのお分かりになるでしょうか?
ドリンク定額制の環境への影響
『そして、お得な価格で、バラエティに富んだ飲料を手に入れられるサービスとして、サブスクリプションサービスを提供することを決めました。
サービスを通じて、まだエキナカで飲料購入していない方に、エキナカ自販機の利便性や魅力を感じて頂きたい。また、この体験を通じてエキナカの総合的な価値を高めていきたいと考えております。』
(出典:月額980円で1日1本…日本初の“自販機サブスク”お得度は? 「駅ナカ」ビジネスの勝算を聞いた)
ドリンクの定額制が環境に及ぼす影響における試算はacureのHPには載っていませんでした。
上記はJRウォータービジネス のPR担当者へにインタビューの答えだが、消費者の増加を想定している。
筆者が対象の自動販売機の商品ラインナップを調べたところ9割はペットボトル、残り1割はビンや缶の飲料でした。
このサービスの導入によって、今までコンビニやスーパーで飲料を買っていた人が自販機を利用すると、
ペットボトルを選ぶ確率は高くなるのがわかると思います。
正確な数値データは出すことができませんでしたが、ペットボトルの消費量が減ることはないです。
まとめ:やり方さえ変われば
環境問題にとって良いものではなさそうです。
おそらくこのままでは、日本はゴミで溢れてしまうのではないでしょうか?
ペットボトルのまま定額制にするというのがよくなかったと思います。
これはこういったビジネスを展開する企業にだけ解決を求めるのではなく、
我々消費する側が、商品やサービスを選んでいかねばなりません。
日本を変えるのは企業と、消費者の選択です。
間違いがございましたら、ご指摘お願いします。
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