サステナビリティ経営 企業

企業のサステナビリティ経営分析(炭素排出量)TOTO株式会社2020年

TOTO株式会社のサステナビリティ経営分析(炭素排出量編)

炭素排出量の概要

TOTO株式会社のスコープ別CO2排出量推移

排出量の割合を見てみると、スコープ3の排出量が大部分を占めています(約98%)。スコープ3の中でも製品の使用に関わる排出量が95%程度を構成しています。

また排出量の推移を見てみるとスコープ1, 2では2019→2020年で15%強の減少傾向です。スコープ3は2018→2020年で5%程度の増加・減少が交互に起きています。その結果2018年度と2020年度の排出量はほぼ同一になっています。

TOTO株式会社の2030年に向けた脱炭素の目標

TOTO株式会社では、脱炭素に関連する目標を主に以下の3つ定めています。
1. 2030年に事業所からのCO2総排出量を25.0万tにする(2018年度実績35.7万t)
2. 2030年に再エネ導入90%
3. 2030年にサスティナブルプロダクツ商品構成比を78%にする(2020年は69%)

各目標による想定される脱炭素効果を算出する

目標1の結果、2018年度からCO2排出量が10.7万トン削減されます。これは、日本人の平均的な年間CO2排出量が8.7トン(※)なので約1.2万人分の削減に相当します。
※世界銀行のデータより

目標3に関しては、同社のスコープ別排出量の中で最大の項目である製品使用時の排出量に取り組むものです。2020年は該当カテゴリだけで約1,850万トンの排出がありました。そのため期待できる削減量はとても大きいことが想像されます。しかし、サスティナブルプロダクツが普及した結果の想定CO2排出削減割合や絶対量が明示されていません。そのため脱炭素効果を具体的に算出することはできませんでした。

目標に向けた活動

目標1に関しては、事業所からのCO2排出量を削減するために省エネと再生可能エネルギーの導入割合の拡大を進めています。再エネの導入割合は、2040年に100%、2030年に90%を目標としておいています。

目標3に関しては、商品使用時のCO2排出量を削減するためにグローバル全体で省エネ・節水性能のある製品の普及拡大に努めています。特に、水回りの中でもより多くのエネルギーを使う浴室の節水・省エネ性能に力を入れてきました。

目標別の実績検証

1. 2030年に事業所からのCO2総排出量を25.0万tにする(2018年度実績35.7万t)

TOTO株式会社の事業所からのCO2削減量実績と目標

目標は「 2030年に事業所からのCO2総排出量を25.0万tにする(2018年度実績35.7万t)」です。この目標を達成するためには、毎年0.9万トンの削減量が必要で、計算上は2020年の段階で2018年度対比で4.9%の削減が達成されている想定でした。

実際のところ、2018-2020年の期間は2.4万トンの減少傾向です。また2020年の削減率実績は、2018年度比で13.5%の削減率を実現していて、想定を大幅に上回っています。

このままの推移でいくと予定を前倒して、2023年には目標を達成できてしまう想定です。今後このペースが保たれるのか、動向に注目したいです。

2. 2030年に再エネ導入90%

TOTO株式会社の再エネ導入割合の推移と目標

目標は「 2030年に再エネ導入90%を達成する」です。この目標を達成するためには、2016年を起点に考えると、同年度の導入割合が0.02%だったため毎年6.4%割合を増加することが必要です。この結果、計算上は2020年の段階で25.7%の導入割合が実現されている想定でした。

しかし、2016-2020年の期間は1.04%の増加幅に留まっています。またその結果2020年の導入割合は3.94%で、想定を大幅に下回っています。

このままの推移だと2030年は14.4%の導入割合にとどまってしまう計算です。そのため、今後いかにして導入割合を増やしていくかに注目したいです。

まとめ

目標設定に関してはSBTから「Well Below 2℃」認定を受けるなど、とても野心的な印象を受けます。

取り組みの成果については事業所の排出量削減については、かなり順調に推移していて前倒しでの目標達成が視野に入っています。しかし、再エネの導入割合に関しては目標の達成が厳しいラインであり、今後の動向に注目したいです。また、製品使用時のCO2排出量削減に関しては、進捗がわかるデータが簡単には見つけられなかったため今後開示の改善が行われることを期待したいです。

・目標の明確さ: o
・目標の野心度合い: o
・アクションプランの明確さ: △
・実績の明確さ: o ~ △
・実績の進み具合: o ~ △

参考リンク

・世界銀行:日本人一人当たりのCO2排出量
https://datacommons.org/place/country/JPN?utm_medium=explore&mprop=amount&popt=Emissions&cpv=emittedThing%2CCarbonDioxide&hl=ja
・新共通価値創造戦略 TOTO WILL2030
https://jp.toto.com/assets/files/TOTO_WILL2030.pdf#page=16
・TOTOグループ 統合報告書2021 財務・非財務データ集
https://jp.toto.com/company/profile/library/
・TOTOグループ 「温暖化を防ぐ|商品」
https://jp.toto.com/company/csr/environment/warming/merchandise/