Double exposure of TOKYO CITY , note bank , yen note, japan money concept
投資家

ESG投資とグリーンウォッシュ。「持続可能な世界」の実現を後押しする投資を守るために

グリーンウォッシングとは

以前こちらの記事で書いたので、こちらを参照してください。

グリーンウォッシュ

端的に言うと、企業がマーケティング目的で、事実がないのに、自社商品やサービスを環境に良いイメージに仕立て上げることです。

見せかけのESG「ESGウォッシュ」とは

海外ではESGを見せかけている行為を「ESGウォッシュ」と呼んで、批判する動きもあります。

例えば、ESG投資ファンドであるはずが、化石燃料を生産する会社に投資していたり(ESGのEに反する)、賭博や酒、たばこ関連の企業に投資(ESGのSに反する)するケースがあります。

The Economistの調査によると世界の運用資産総額上位20のESGファンドの投資内容を調査したところ、それぞれ化石燃料を生産する企業に投資していることが判明しました。
また、アメリカのNGOで「As You Saw」が、名称にESGがついている88のファンドを分析しました。その結果、半数のファンドがAs You Sawの特定する課題領域でD/Fの判定を受けていることが判明しています。
* As You Sawの特定する課題領域: 化石燃料、兵器産業、森林破壊、タバコ産業、刑務所への関与など

ESGウォッシュが起きる背景

ESGウォッシュが出てきている背景は何なのでしょうか?

ESG市場の投資額は近年急激に増加しています。
ESG市場規模の推移
出典:PRI

ブルームバーグ・インテリジェンスの推計では、2025年までに53兆ドルを上回ると見込まれています。
ESG市場が急成長しているため、各ファンドにはESG関連の金融商品を作るインセンティブが働いているのです。
しかし、何がESGで何がそうでないのかの基準が曖昧です。

つまり、以下の2つが起きているのです
ESG市場が急成長しているため、ESG関連の金融商品を作るインセンティブが働いている
評価基準が曖昧で何がESGで、何がESGじゃないのか判別がつかない状態になっている

この結果、ESGと無関係の金融商品が意図的に作られたり、意図せず作られてしまっているのです。

ESGウォッシュの問題点

ESGウォッシュが起きると何が問題なのでしょうか?

簡単にいうと、以下の2点の問題があります。

  • しっかりやってる企業がちゃんと利益を享受できない
  • 全体としてESG投資の効果が下がる

しっかりESGに沿った事業運営をしている企業や、ESGに沿った事業をしている企業に投資している投資家やファンドが本来であれば受けられるはずの利益享受ができなくなってしまいます。
ESGウォッシュの存在が許されると、ESG投資に投入された資金が、きちんとESGに取り組んでいない事業体にも入ってしまうことになります。
その結果、きちんとESGに取り組んでいる企業を後押しするための資金の総額や、社会全体としてESGにきちんと取り組もうとする企業の総数が想定されるよりも増えず、ESG投資の効果が薄れてしまうのです。
また、ESGに対する投資家の信頼が薄れることで、そもそもESG市場の成長が鈍化し、ESG投資に流入してくる資金の総額も減ってしまうことに繋がりかねません。

現状(問題に対する対応

EUはESG関連の環境面(E)での見せかけを防ぎ、ESG市場の成長を助長するために、規制を作りました。
2021年3月10日に施行された「金融サービス部門における持続可能性関連の開示に関する規則」がそれです。
これは、金融商品の持続可能性に関する情報開示を義務付ける規制です。

アメリカもこれに追随する形で動いています。
2021年8月26日にBloombergで報じされたところによると、米証券取引委員会とドイツ連邦金融監督庁がドイツ銀行の資産運用部門であるDWSグループにグリーンウォッシュ の疑いがあるとして調査を始めました。

参考