サイトアイコン ロカボラボ

これで安心!PPAのリスクと注意点

Image by Gaertringen from Pixabay

「PPAは太陽光発電を初期費用をかけずに導入できてお得なのはわかったけど、うまい話すぎないかな」

こんなふうに思っていませんか?

太陽光発電導入において一番悩ましいのが、その初期費用の高さだと言えるでしょう。PPAはそれを抑えられるとても魅力的な方法だけど、裏側にはどんなリスクがあるのでしょうか。

この記事を読めば、PPAの契約前、契約中、契約後におけるリスクやデメリットがわかります。それでは順に見ていきましょう。
(この記事で紹介する内容はあくまでも一般的な内容です。詳細な契約の条件などはPPA事業者によって異なりますので、契約時にこの観点で確認してみてください。)

PPAの契約前のリスクとは

PPAの契約前のリスクは、審査次第で契約ができない可能性があるという点です。

この審査には以下の2つの観点があります。
①設備を設置する地域・敷地で十分に発電ができるか
②契約する需要家が長期間の契約を満了できるか

①設備を設置する地域・敷地で十分に発電ができるか

PPAでは、積雪や強風、塩害によって想定外の発電量の大幅な低下が起きる可能性があると導入ができない可能性があります。

PPAで需要家に提供される電力単価は、事前に想定される契約期間中の電力の供給量などをもとに決定されます。そのため、その供給量を下回ってしまうとPPA事業者としては採算が取れなくなってしまうためです。

②契約する需要家が長期間の契約を満了できるか

PPAは15〜20年の長期契約になる傾向があります。そのためPPAの長期契約中に途中で倒産などの与信に関わるリスクがある場合は、PPAの導入ができない可能性があります。

PPAの契約中のリスクとは

PPAの契約中のリスクは、大きく以下の2点があります。

①非常用電源として活用できない可能性がある
②契約が長期間になるため、期間内に施設の移転などができない

①非常用電源として活用できない可能性がある

オンサイトPPAの場合、発電設備は電力の需要地と同じ敷地内に設置されます。そのため、当然期待されるのが非常用電源としての活用です。

しかし、契約内容によってはこの非常用電源としての活用ができない可能性があります。そのため契約内容の確認が必要です。

非常用電源は、電力供給が止まることで事業運営が中断されるリスクを軽減することができます。なぜなら災害などで一般の送電サービスが停止した場合でも、非常用電源から電力を供給できるためです。たとえば、敷地内にある太陽光発電設備で発電し、同時にその電力を利用したり、その電力を蓄電池などで蓄えておき夜間に利用するなどが想定されます。

②契約期間内に施設の移転・改装などができない可能性がある

これはとくにオンサイトPPAで問題になる点です。

契約期間中に、需要家の都合で太陽光発電設備を撤去または一時的にでも停止する場合に違約金が発生する可能性があります。そういった需要家の都合として、施設の移転や改装などが考えられます。

PPAでは発電設備はあくまでも発電事業者が所有しているため、需要家が勝手に処分をすることはできません。また、PPAの電力価格は一定量を長期間供給する前提で決められています。そのため途中で解約したり、もしくは一時的にでも停止すると、PPA事業がビジネスとして回らなくなってしまう可能性があるためです。

PPAの契約後のリスクとは

PPAの契約後のリスクは、大きく以下の2点があります。

①設備の譲渡が受けられない可能性がある
②設備の廃棄にコストがかかる

①設備の譲渡が受けられない可能性がある

PPAの契約期間は15〜20年の長期になることが多く、その期間中は発電設備はPPA事業者のものですが、契約が終了すると需要家に無償で引き渡されることがあります。しかし、契約内容によっては引き渡されないこともあります。そのため契約内容の確認が必要です。

PPAの契約期間中は、電気代の節約という観点ではあまり恩恵を得られません。なぜなら、契約期間中は電力の利用料をPPA事業者に支払うためです。

しかしPPAの期間後に設備が引き渡されると、電気代の大幅な削減が見込めます。なぜなら、電力の利用料をPPA事業者に支払う必要がなくなるためです。そのため、契約期間後に設備がどうなるかはとても重要な観点です。

②設備の廃棄にコストがかかる

PPA期間終了後に設備を引き渡された場合は、最終的に太陽光発電設備を処分する際に需要家が廃棄コストを負担する必要があります。なぜなら、この場合は設備の所有者は需要家地震になっているからです。

ちなみに廃棄コストは、経済産業省の令和3年9月「太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について」によると10kWあたり1万円程度とされています。

PPAのメリットは初期費用とメンテナンスが不要なこと

ここまでPPAのリスクを見てきましたが、メリットも知りたい方はこちらを確認してください。

初期費用とメンテナンスが不要なこと以外にもPPAはメリットがたくさんあります。

まとめ

この記事では、PPAのリスクについて紹介してきました。PPAは初期費用とメンテナンスが不要であるという点が魅力ですが、お得な側面以外も知っていただいて、納得した上でPPAを含めた太陽光発電の導入を検討していただければ幸いです。

参考

モバイルバージョンを終了