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二酸化炭素の排出量ゼロ!いま太陽光発電が必要とされる理由を解説

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二酸化炭素の排出量ゼロ!いま太陽光発電が必要とされる理由を解説

太陽光発電はクリーンなエネルギーと言われています。

そこで気になるのが、二酸化炭素の排出量ですよね。太陽光発電では二酸化炭素の排出がどれくらい抑えられるのだろうか。

また、そもそもなんでクリーンエネルギーに注目が集まっているのだろうか。

この記事では、こういった疑問を多方面から解説していきます。

この記事を読んだら、太陽光発電はなぜクリーンだと言われているのか、またなんでクリーンなエネルギーに注目が集まっているのかを把握できるようになります。

太陽光発電の二酸化炭素の排出量は2種類ある

太陽光発電の二酸化炭素排出量を語る際には、以下の2種類に分けて考えるとわかりやすいです。
①直接排出
②間接排出

直接排出はゼロ

直接排出とは、太陽光発電で実際に発電する際の二酸化炭素の排出のことです。これは次に述べる間接排出、太陽光発電パネルの製造・運搬などで発生する排出、と対比したものです。

太陽光発電では、二酸化炭素の直接排出量はゼロです。

なぜなら、太陽光発電では太陽光という自然エネルギーを電気に転換しているだけだからです。反対に、現在日本の主力発電設備である火力発電では、発電時に化石燃料を燃やしているため二酸化炭素が発生します。

以下のグラフは、各種火力発電(石炭、石油、LNG)と太陽光発電の二酸化炭素排出量の比較です。電気 1 kWhを作る際に排出される二酸化炭素の量をグラム単位で表現しています。

間接排出はゼロではない

太陽光発電の直接の二酸化炭素排出量はゼロですが、その製造過程では二酸化炭素が発生します。この排出のことを間接排出と言います。

間接排出では、具体的に以下の場面で二酸化炭素の排出があります。
・原料の採掘と精製時
・工場でのパネル製造時
・運搬、設置工事時

この間接排出を含めても、二酸化炭素排出量は「1kWh発電あたり17〜48g」と非常に少ない値であるとされています(太陽光パネルの寿命を30年と仮定)。

それに対して、化石燃料を燃やす火力発電は「1kWh発電あたり519〜975g」であるとされています。そのため、大幅に排出量は少ないことがわかります。


(出典:産業技術研究所. 「再生可能エネルギー源の性能」https://unit.aist.go.jp/rpd-envene/PV/ja/about_pv/e_source/RE-energypayback.html

いま太陽光発電が必要とされている理由を説明

太陽光発電は発電時だけを切り取って考えると、二酸化炭素を全く排出しないクリーンなエネルギーです。また、その製造過程などのライフサイクル全体を通して考えても、火力発電などと比べると圧倒的に二酸化炭素の排出量が少ないです。

では、なぜいま太陽光発電が注目されているのでしょうか。

世界全体で脱炭素化に取り組んでいるため

現在、世界全体で地球温暖化の防止に取り組んでいるためです。この取り組みを、二酸化炭素の排出削減、つまり「脱炭素」とも言います。

実際、国連の条約で「気候変動枠組条約」というものがあります。この条約に基づいて、毎年秋ごろに、通称COP(気候変動枠組条約締約国会議)と呼ばれる会議が開かれています。そこでは、各国の脱炭素に向けた進捗や更なる取り組み強化に向けた話し合いがされています。

2015年のCOP21(21回目のCOP)で、この国際的な取り組みの具体的な目標が定まりました。それが「パリ協定」と呼ばれるものです。その内容の大枠は以下の通りです。

世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度より十分低く抑え、1.5度に抑える努力をする

そして、パリ協定の目標を実現するために、2050年には二酸化炭素の排出を実質的にゼロにする「脱炭素」が求められています。

国が脱炭素に取り組んでいるため

世界的な脱炭素の流れに呼応して、日本政府としても2050年の脱炭素に向けて取り組んでいます。

実際、2020年10月に当時の菅首相が「2050年カーボンニュートラル宣言」を行いました。また、その中間目標として2030年に二酸化炭素の排出量を2013年度比で「46%削減」するとしています。これは、それまでの「26%削減」から大幅に引き上げています。

その結果、エネルギー基本計画が更新され第6次エネルギー基本計画が策定されました。その中で、2030年の再エネの導入比率を大幅に引き上げています。

投資家も脱炭素に注目し始めているため

投資家も脱炭素に注目し始めています。

なぜなら、地球温暖化の進行や脱炭素の規制強化によって、投資先企業に以下のような影響が出る可能性があるためです。

【気候変動の進行によるリスク】
①気候災害が激甚化し、輸送や工場の操業が止まってしまうリスク
②環境変化が起き、原材料などの価格が高騰して、企業の収益性が落ちるリスク

【脱炭素の規制強化によるリスク】
・より重い炭素税が課されると、企業のコストがあがるため、収益性が悪化する

炭素税とは、二酸化炭素の排出に対して価格づけをするための税金です。そのため、事業運営で発生した二酸化炭素の量に応じて課税されます。

脱炭素の実現に向けて様々な国際機関が、以下のような炭素税の価格を提唱しています。

機関名称炭素税価格
IEA2025年に60ドル / t-CO2
気候変動に関する国際連合枠組条約2030年に60~100ドル / t-CO2
参考)現在の日本289円 / t-CO2
 

上場企業もバリューチェーン全体の「環境負荷の把握」と「脱炭素化」に注目し始めているため

上場企業もバリューチェーン全体の「環境負荷の把握」と「脱炭素化」の取り組みを始めています。つまり、仕入れた原材料などに付随する二酸化炭素の排出量も把握し、できるだけ抑えていこうという動きです。

なぜなら、上述の通り、投資家が企業活動の環境負荷に対して注目しているためです。

実際、投資家と企業の建設的な対話をすることを目的として、企業活動による二酸化炭素の排出量(などの非財務情報)の開示を求める動きもあります。たとえば、TCFDという開示項目の標準化されたフレームワークに則って開示する例や、金融庁が有価証券報告書にサステナビリティ情報についての記載を求める決定をしたりしています。

エネルギーの自給自足の重要性が高まっているため

日本のエネルギー自給率を上げる重要性があります。

なぜなら、エネルギー自給率が低いことで経済的な打撃を大きく受けるためです。

たとえば直近では2022年にこのことが明確になりました。ロシアのウクライナ侵攻や、円安の進行でエネルギー価格が高騰し、電気代を含めてあらゆる物価が急激に上昇したためです。

さらに過去を遡れば1970年代のオイルショックでも燃料の価格高騰により、物価が上がっています。

まとめ

太陽光発電の二酸化炭素の排出量について解説しました。

太陽光発電による直接排出はゼロですが、間接排出と言われる製造過程などの排出は一定量あります。しかし、現在日本で主力となっている各種の火力発電と比べると圧倒的に二酸化炭素の排出量は少ないです。

また、様々な面から太陽光発電のようなクリーンなエネルギーが求められています。環境への配慮の面と、エネルギーの自給率を上げて国としての経済基盤の脆弱さを取り除く面です。

環境負荷の少ない高付加価値なビジネス、また海外情勢に左右されるエネルギー価格からの影響を抑えたビジネスを作るために、太陽光発電の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考

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