太陽光発電といえば、売電による収入を想像する方が多いと思います。では、売電単価はどれくらいもらえるのでしょうか?
実は売電価格は毎年変化しています。さらに、その額は減少傾向にあります。そのため、現在では売電するより、自家消費して電気代を削減する方がお得な状況になっています。
この記事では、「太陽光発電は自家消費をした方がお得である」ということを「年々減少している売電価格」と「高騰している電気代」という二つの観点から解説します。
FIT制度での2023年度の太陽光発電の売電単価は「10円 / kWh」
FIT制度での2023年度の太陽光発電の売電単価は、10kW以上50kW未満の設備では「10円 / kWh」です。
売電価格は設備容量によっても変化します。それぞれの設備容量ごとの売電単価は以下の通りです。
設備容量 | 単価(円 / kWh) | 備考 |
---|---|---|
10kW未満 | 16 | 一般的な家庭用 |
10kW以上50kW未満 | 10 | 産業用 |
50kW以上 | 9.5 | 産業用 |
FIT制度を使えば、より高値で売電できる
FIT制度とは、市場価格より高い価格で売電できる国の制度です。固定価格買取制度と言われています。
太陽光発電などの再エネの普及を目的として2012年度から運用が開始されています。
FIT制度における売電単価は下落傾向にある
FIT制度における売電単価は、2012年度の開始から下落傾向にあります。
この制度の目的の一つは、太陽光発電の導入を普及させるために、その高い導入コストを補うことでした。そして、近年は太陽光発電の導入コストが大幅に下がってきたため、買取価格自体もそれに合わせて下がってきているのです。
FIT制度を使わないと売電価格は「7 ~ 8.5円円 / kWh」
FITを使わない場合は、売電価格は「7〜 8.5円 / kWh」になります。
FITでは、国が指定した一律の値段で買い取られることになります。しかし、FIT終了後の
売電価格は各電力の小売会社が個別に価格を決めています。
以下のグラフは、主要電力会社のFIT終了後の買取価格をリストアップしたものです。
売るより自家消費をして、電気代を削減した方が経済的メリットが大きい
太陽光発電は、売電をするより自家消費をする方が経済的メリットが大きいです。
売電価格は減少傾向にあり、今後もますます下がっていくことが予想されます。しかし、電気代は2021年以降高騰していて、さらに日本はエネルギー資源を海外に頼っているため、海外情勢によっては今後もどうなっていくのか想定できません。
電気代は上昇傾向であり、なおかつ低圧電力は「28.4円 / kWh」
電気代は2021年以降上昇傾向にあります。以下のグラフは、全国の電圧別の平均電気料金単価です。
2023年4月以降の電気代は、さらに上昇予定
2023年4月以降も電気料金は上昇する見込みです。大手電力会社だと、九州電力以外は4月か6月に値上げを予定しています。
まとめ
太陽光発電の売電単価について解説してきました。
太陽光発電というと売電収入というイメージが強いですが、売電するよりも自家消費して電気代を削減した方が収益性が高いというのが実情です。
売電単価が下がっている今、そして電気代が高騰している今、太陽光発電を導入して電気代という必要コストを抑えてみませんか。
参考
- 経済産業省・資源エネルギー庁. 「過去の買取価格・期間等」. https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kakaku.html. (参照日:2023年3月6日)
- 経済産業省・資源エネルギー庁. 「買取価格・期間等」. https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html. (参照日:2023年3月6日)
- 一般社団法人エネルギー情報センター. 「電気料金単価の推移」. https://pps-net.org/unit#.(参照日:2023年1月24日)
- 東京電力. 「再エネ買取標準プラン」.https://www.tepco.co.jp/ep/renewable_energy/plan/standard.html. (参照日:2023年1月23日)
- 北海道電力. 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)の買取期間満了後のサービス概要について」. https://www.hepco.co.jp/energy/recyclable_energy/fixedprice_purchase/purchase_period_expired.html. (参照日:2023年1月23日)
- 中部電力. 「新たなデンキ買い取りサービス」. https://katene.chuden.jp/sotsufit.html. (参照日:2023年1月23日)
- 北陸電力. 「固定価格買取制度に基づく買取期間満了後の買取について」. https://www.rikuden.co.jp/koteikaitori/kaitorimenu.html. (参照日:2023年1月23日)
- 関西電力 . 「買取期間が終了する太陽光発電の取り扱いについて」. https://kepco.jp/ryokin/kaitori/solar_power/. (参照日:2023年1月23日)
- 中国電力. 「新たに当社への売電を希望されるお客さま」. https://www.energia.co.jp/elec/seido/kaitori/kikanmanryougo/kaishitetsuduki/index.html. (参照日:2023年1月23日)
- 四国電力. 「買取プラン」. https://www.yonden.co.jp/customer/price/plan/kaitori.html. (参照日:2023年1月23日)
- 九州電力. 「固定価格買取(FIT)制度の買取期間満了後の買取りについて」. https://www.kyuden.co.jp/rate_purchase_afterfit.html. (参照日:2023年1月23日)