資源

太陽光パネルの廃棄問題 2040年問題とは?〜クリーンなだけじゃない事実〜

太陽光パネルといえば、環境に優しい再生エネルギーを生み出すエコなイメージがあります。
ですが、今後環境を汚染しかねない問題点が大きく分けて3つあるのです。
また最近の異常気象による災害などでたくさんのソーラーパネルが被害を受けているようです。
そんなソーラーパネルのゴミ問題について見ていきましょう。

2040年問題

2011年東日本大震災による福島原発の事件で核汚染が問題になりました。
そこで、環境に優しい電力の持続的な発電供給の必要性が浮き彫りになり、2012年「FIT法」なるものが施行されます。
再生可能エネルギーから発電された電力は、一定期間は同じ価格で買い取られることになりました。
これによって設備にかけたお金の回収目処が立ちやすくなったため、コストの高い再生エネルギーの導入を促進することになりました。

多くの太陽光パネルの耐用年数が20〜30年と言われています。このFIT法によって同時期に急増した大量の太陽光パネルが一気に廃棄されることが予想されています。
これが2040年問題です。

3つの問題

2040年に生じる問題は大きく分けて以下の3つです。

  1. パネルが放置・不法投棄されてしまう
  2. 有害物質を含むパネルが適切に処理されない
  3. 廃棄物となったパネルが最終処分場を逼迫する

それでは一つずつ見ていきましょう。

1. パネルが放置・不法投棄されてしまう

ソーラーパネルには大きく2つの設置方法があります。

  • 建物に設置する
  • 土地に事業で設置する(土地は所有地と借地がある)

パネルの放置

事業主が所有している土地で行われている場合はパネルが放置される可能性が高いです。
実際に事業は終了しているものの、コストが高い廃棄処理を行わないで有価物であるとしてパネルが放置されるためです。

パネルの不法投棄

いずれのケースでも、廃棄処理の費用を捻出できない、準備してなかったなどで他の土地に不法投棄される可能性があります。

費用を捻出できないことがないように、電気を売った時の価格の資本費(システム費、土地造成費 etc...)の5%を積み立てておくことが推奨されています。
ですが、実際は積み立てられていないことが緑色で示されています。

 

(出典:PDF 太陽光発電設備の廃棄等費用の積立てを担保する制度に関する検討の方向性/2019年4月11日 資源エネルギー庁

これを防ぐために2018年から積立努力を義務化とし、積立計画と進歩状況の報告自体も義務化しました。

[word_balloon id="mystery_men" position="L" size="M" balloon="round" name_position="under_avatar" name="false" radius="radius_12" avatar_border="false" avatar_shadow="false" balloon_shadow="true" border_color="#dddddd" avatar_hide="true" balloon_full_width="true"]低圧・高圧とは?
50kWを境に分かれる発電の規模のことを言います。
高圧は50kW以上で大規模な発電所のことを言い様々な届け出を出す必要があります。設置や維持にたくさんの規定があり手間がかかります。
低圧は50kW未満で小規模な発電のことを言い届け出などは必要ありません。[/word_balloon]

2. 有害物質を含むパネルが適切に処理されない

ソーラパネルには鉛やセレン、カドミウムといった有害な物質が含まれているものがあります。カドミウムはイタイイタイ病の原因物質です。
また、パネルに含まれる有害物質の濃度も商品ごとに違うのです。
これらを含むパネルはそれぞれの有害物質ごとに適切な処理を行わなくてはなりません。

適切な処理方法

(出典:行政書士 三浦事務所 / 最終処理

適切に処理がされないと、有害物質が地下水を汚染して有害物質が流出・拡散されてしまいます。
管理型最終処分場での埋め立てが望ましいのに、普通の処理場で埋め立てられてしまうケースが有害物質の流出・拡散につながります。

適切に処理されない原因

原因としては以下の3つが挙げられます。

  • そもそもパネルに有害物質が含まれていることを知らなくて、普通の処理場に出してしまった。
  • 有害物質が含まれるパネルがあることは認識していたが、使用しているパネルが有害物質を含むか確認していなかった。
  • 太陽光パネル業者が積極的に情報を開示していない。

各業者が情報を積極的に伝えて、確認することが大事です。

以下に総務省調べの太陽光パネルの有害物質に対する認識の状況を示した図を用意したので興味がある方はご覧ください。


(出典:PDF/太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査/総務省行政評価局

3. 最終処分場を太陽光パネルが逼迫させてしまう

(出典:PDF/太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第一版)平成28年3月環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室

FIT法によって、多くのパネルが同時期に設置されました。ということは、いずれ大量に廃棄される時期がやってきます。
真ん中の赤い線のグラフを見てください。太陽光パネルの寿命を25年と想定すると、2020年には2,800トン、ピーク時の2040年には80万トンにもなると試算されています。

2040年の値は、平成24年の産業廃棄物最終処分量の6%にあたります。
この環境省の試算によれば、最終処分場を逼迫することは明白です。

廃棄ではなくリユース・リサイクルという選択

現在廃棄されたパネルは埋め立て処理が行われています。
ですが、パネルをリユース・リサイクルすることで最終処分場の逼迫を防止し、資源の有効活用をすることができます。

太陽光パネルはガラスやシリコン、アルミなどの様々な素材から作られています。
それらを素材ごとに分ける必要がありそこにかなりのコストがかかっていました。
それらの技術的な問題などを解決するために、多くの企業が技術開発に取り組んでいます。

NPC

従来まではアルミフレームなどのパネルの一部しかリサイクルできていませんでした。
NPCの開発した「ホットナイフ」によって、困難とされていたパネルとガラスが、有害物質のカドミウムや鉛が混ざることなく分離させることができるようになりました。


(出典:迫る太陽光パネルの廃棄問題、各社が再利用ソリューションを続々と披露 (1/2)

これによって、ガラスや銀の回収が可能になりました。

この技術を用いて、同社は太陽光パネルの循環型スキームを提唱しています。

廃ガラスリサイクル事業協同組合

もともとは容リ法の影響でガラス瓶のリサイクルから始まった事業団体です。
太陽光パネルのガラスをリサイクルすべく、ガラス剥離・分別システムを開発しました。

このシステムは、廃棄パネルを投入すると、自動でアルミフレーム、ガラス、セル、バックシートに剥離・分離してくれます。
この後ガラスはガラス生成システムでガラスの素材に生まれ変わり、銀や銅の有価物も確実に回収できるので100%リサイクルができるようです。

まとめ

太陽光発電はかなり環境に良いイメージですが、反面廃棄に大きな問題を抱えていました。
何十年とデータのある分野のデータではないので、今後に期待することができますね。

完全にリサイクルすることでゴミも減らして、資源の有効活用につながる流れがこれからの主流になっていくことが廃棄問題の解決策であるのではないでしょうか。
それには、積極的な情報共有やあらかじめ産業廃棄物になると認識して、廃棄時にかかる費用を積み立てておくことが大事だと思います。

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