資源

とうとう北極でプラスチックの雪が降る〜どこからやってきた?人体への被害は?〜

ここ最近はプラスチックによる環境汚染や、ゴミ問題など目にしない日はないですね。
タイトルを見て驚いた方もいるかもしれませんが、人間の手がつけられていないと言われる北極でさえプラスチックによる汚染は進んでいました。
雪に含まれていた混合物の多くは、植物繊維や動物の毛などの自然由来のものでした。
しかし、そこに信じられないくらいの量のプラスチックも含まれていたのです。

<関連記事>マイクロプラスチックとは?マイクロプラスチックが引き起こす問題と取り組み〜プラスチックだらけの私たち〜

手付かずの地〜北極〜

多くの人が、北極は「人の手の及んでない美しい場所」だと思っているかもしれません。
この動画を見てもそう思えるでしょうか?

先ほど見ていただいた動画は、昨年2018年2月に公開されたものです。
さらに時を遡って2013年、スペインやフランス等を中心とした国際的研究者で構成する「Tera Oceans」が、北極海域全体のプラスチックゴミの状況を調査していました。
プラスチックゴミ問題や海洋プラスチック問題は、最近かなりよく見るようになりました。
しかし、何年も前から研究され警鐘が鳴らされてきたのです。
英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された論文によると、海氷1Lあたり最大で1万4千個のプラスチック粒子が発見されました。AFP

プラスチック入りの雪が降る

ドイツをスイスの調査チームが学術誌「サイエンス・アドバンシス」で、北極の雪にプラスチック片が含まれていたという研究を発表しました。
調査はノルウェー領スヴァールバル諸島、ドイツ、バイエルンアルプスなど24カ所で行われました。
調査方法は「雪をスプーンですくって、フラスコに入れる」という簡単な方法で行われました。

その結果一番多かったのは、バイエルンで、1Lの雪から15万個のプラスチック片が発見されました。北極は最大で、1万4千個のプラスチックの破片が見つかっています。
少ないように見えますが、最果ての地であることを考えればすさまじい量です。
単純なプラスチックの他にもゴムやワニス、塗料の破片、合成繊維なども見つかっています。
これらの人工的なものは多くの場合、人工樹脂を含んでいます。WIRED

[word_balloon id="mystery_men" position="L" size="M" balloon="round" name_position="under_avatar" name="false" radius="true" avatar_border="false" avatar_shadow="false" balloon_shadow="false" border_color="#9dd8cb" avatar_hide="true" balloon_full_width="true"]ワニスとは?

「天然樹脂もしくは人造樹脂を油性溶剤ないし揮発性溶剤に溶解させた塗料。」コトバンク 人造樹脂というのは、いわゆるプラスチックのことです。乾燥すると固くなり、光沢が出ます。 耐水性など多くの耐性があって、家具やバイオリン、車、船などに使われています。[/word_balloon]

どうやってプラスチックは北極に?

唐突ですが、北極圏にもマイクロプラスチックと同じ大きさの花粉が来ることは過去の研究でわかっています。
この研究を基に、以下の仮説が立てられました。

  1. 風などによって大気中にマイクロプラスチックが舞う。
  2. さらに風に乗って大気中を長距離移動。
  3. その後、雨や雪によって大気から振り落とされ地上へ。

つまり我々が出すプラスチックは、全世界を汚染している可能性があります
これまでにも中国や、イラン、パリで雪や雨からプラスチックが発見されています。
ですが、マイクロプラスチックがどこからやってきたかは、粒子が小さすぎて判明して無いそうです。BBC

我々が出したプラスチックの行方は?

我々は、多くのプラスチックを使用し廃棄しています。
そしてそれらは、リサイクルされ、焼却され、そして一部は環境中に消えていきます

「これらのプラスティックは、いったいどこにあるのでしょうか? 概算で毎年800万トンのプラスティックが海へと運ばれている計算になるのですが、わたしたちはその約1パーセントしか見つけられていないのです」(出典:WIRED/マイクロプラスティックは「北極圏の雪」にまで蓄積していた。でも、どこから飛んできたのか?

と、アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所の海洋生物学者であるメラニー・バーグマンは言いました。
未だ、我々が環境中に排出したプラスチックの行方は分かっていないのです。
海洋のプラスチックの動きを実験しようとしても、マイクロプラスチックがない海を見つけることができないからです。

マイクロプラスチックが与える影響は未だ不明...

読者の皆さんも、小さい頃に雪や雨を食べたことのある方がいるのではないでしょうか?
その中にマイクロプラスチックが入っていたら...
未だ、マイクロプラスチックが人体に及ぼす影響はおろか、環境全体に与える影響は分かっていません。

我々が呼吸や食を通して、マイクロプラスチックを体内に取り込んでいるのは明かです。
そうしたプラスッチクは人体への深刻な影響がもたらされる危険性があり、データが一刻も早く必要です。

一方で注目に値するのは、カナダでは研究者たちが人里離れた湖を使って、マイクロプラスティックによる汚染の研究を近いうちに始める可能性があることだ。これによって、マイクロプラスティックが生態系にどのような影響を及ぼしているのか、重要な洞察がもたらされるかもしれない。(出典:WIRED/マイクロプラスティックは「北極圏の雪」にまで蓄積していた。でも、どこから飛んできたのか?

倫理的に、マイクロプラスチックの与える影響を研究するのは難しそうです。
ですが、これからはこうした研究がどんどん進み、プラスチックの与える影響がわかっていくのかと思います。

まとめ:時代の変わり目を感じる

未だ、影響についての研究は進んでいませんが、それがわかった時世界はどう変わるのでしょうか?
世界中でペットボトル飲料が禁止され、プラスチック製品の規制がかかり、プラスチックが生活から遠ざけられる時代が来るのはそう遠くない未来の気がします。

そんな世界に対応するため、環境に優しい生活を送るため、今一度自分の生活を見直す時が来たのではないでしょうか?

[word_balloon id="mystery_men" position="L" size="M" balloon="round" name_position="under_avatar" name="false" radius="true" avatar_border="false" avatar_shadow="false" balloon_shadow="false" border_color="#9dd8cb" avatar_hide="true" balloon_full_width="true"]コラム:北極と南極の違いの簡単なまとめ

南極は氷の下に大陸があるので南極大陸とも言われます。ですが北極の中心は海なのです。
これが一番大きな違いで、氷の量も違います。
世界の氷の9割は南極にあると言われています。一方の北極は世界の氷の1割を有しています。
また大陸に乗っかっている南極は氷の厚さは平均2000m、一番高いところで富士山より1000mも高い4800mもあります。
北極は数メートル程度です。ですが、氷の表面積は変わりません。(出典:こんなに違う南極と北極に関するトピックス:朝日新聞デジタル)[/word_balloon]

関連記事

マイクロプラスチックとは?マイクロプラスチックが引き起こす問題と取り組み〜プラスチックだらけの私たち〜

参考記事

北極圏の雪からマイクロプラスチック、広範な大気汚染に警鐘 研究 [AFP]
北極にプラスチックの雪が降っている……最新研究で明らかに[BBC]
マイクロプラスティックは「北極圏の雪」にまで蓄積していた。でも、どこから飛んできたのか?[WIRED]