バイオマス発電は、クリーンな再生可能エネルギーの一つとして今後の発電力強化が期待されています。
しかし、バイオマス発電はそんなにクリーンじゃないという話もあります。
メリットとデメリットを見て実際はどうなのかを確かめてみましょう!
記事全体の流れ
メリット
まずはバイオマス発電が期待されている理由である、そのメリットを見ていきましょう。
安定供給ができる
他の再生可能エネルギー(太陽光、水力、風力など)による発電は、自然の状態によって大きく左右されます。
しかし、バイオマス発電は基本的な仕組みは火力発電と同じであるため、発電量を自然に左右されづらいです。
燃料さえ確保できれば、発電量を人間が調整できるということです。
カーボンニュートラルである
バイオマス発電の最大の売りの一つに、カーボンニュートラルという特性が挙げられます。
植物は燃やすとCO2を排出しますが、成長過程では光合成により大気中のCO2を吸収するので、排出と吸収によるCO2のプラスマイナスはゼロになります。そのような炭素循環の考え方のことをカーボンニュートラルといいます。(出典:中部電力|バイオマス発電 – 再生可能エネルギーとは)
つまり、火力発電とは異なり、新たにCO2を排出することはないというわけです。
燃料を国内で調達できる
バイオマス発電の燃料にできるものは、生ゴミや廃材などの廃棄物も含まれます。
そのため、資源の乏しい日本でできる数少ないエネルギー源の自給自足にもなるのです。
デメリット
ここからはデメリットを見ていきます。
廃棄物以外も燃料として使用される可能性がある
バイオマス発電では、廃材や食品廃棄物などがエネルギー源に変わるという点がポイントだと思います。
しかし、バイオマス発電のために木材を調達したり、廃棄されていない食品をエネルギー源とするような本末転倒なことが起こる可能性があります。
これが起きると、人間が食べるための食料が値上がりする可能性があるので、とても大きな問題です。
海外の燃料に頼っている
バイオマス発電は本来であれば国内で出た廃棄物などを燃料として発電する仕組みです。
こうすることで、メリットのところで述べた資源不足に悩まされることがなくなるのです。
しかし、実際には以下の日経新聞の記事にもある通り燃料を輸入に頼っているのが現状です。
「バイオマス発電8割動かず 林業人手不足、燃料輸入頼み」
バイオマス発電の燃料としてよく使用されている一つである木質ペレットというものがあります。(木材のことです)
下の図を見ると、その輸入量がここ最近急増しているのがわかると思います。
(引用:日経新聞「バイオマス発電8割動かず 林業人手不足、燃料輸入頼み」)
まとめ
バイオマス発電は、メリットに挙げられている点はどれも理論的にはとても素晴らしく見えます。
しかし、実際はメリットで挙げられている通りに発電はされておらず、デメリットで挙げられているような状態になっています。
技術の力で全てを解決するのは難しいため、
一人一人が暮らし方をエコにシフトしていくことで、エネルギー使用量を抑えることも重要なポイントです。