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SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」をわかりやすく解説!具体的な取り組みも紹介

持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)、通称「SDGs」は2015年に国連サミットで策定され、2030年までの達成が望まれています。SDGsは全部で17の目標で構成されています。環境や差別問題など、いずれも実現に向けて国際的な協力が必要なものばかりです。この記事では、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」の取り組みについて、わかりやすく解説します。

ジェンダー平等とは何か?SDGsの目標になった背景を紹介

そもそもジェンダーとは社会的につくられる「性」のことです。生物学的な性別とは違い、社会生活の中で性別に割り振られる役割だといえるでしょう。そして、SDGsの目標5では「ジェンダー平等を実現しよう」と掲げられています。以下、目標5の意味や背景を解説します。

問題になっているジェンダー不平等

SDGsが目標5を策定したのは、実際にジェンダー不平等が世界中で問題になっているからです。大前提として、「男性とはこうあるべき」「女性はこうあるべき」といった社会通念がジェンダーだと言い換えられるでしょう。たとえば、「男性は働き、女性は家庭を守る」といった考え方は、古くから受け継がれてきた非常に典型的なジェンダー観だといえます。古いジェンダー観は男性優位社会、家父長制度へとつながり、女性の抑圧につながってきました。

先進国や発展途上国に関係なく、世界中で女性の社会進出が制限されているケースは後を絶ちません。多くの国で、国会議員の大半は男性が占めています。女性が国家の元首になるケースは極めて稀です。さらに、結婚や出産などをきっかけに、仕事を辞めなくてはならない女性も少なくありません。男性の視点で作られた社会では、女性が活躍しにくい土壌ができています。社会で働く女性への偏見も、男性優位社会を強固なものにしてきました。

LGBTQへの無理解

女性差別と同じく、SDGsで問題視されている事象がLGBTQへの無理解です。LGBTQとは同性愛者や両性愛者、トランスジェンダー、性的マイノリティの総称です。世の中のすべてを男女に分けようとする、古典的なジェンダー観では語れない人々がLGBTQだといえます。そして、LGBTQの人々は社会から差別を受けることが少なくありませんでした。同性愛を「趣味」「嗜好」と決めつけられたり、変質者のように扱われてきた歴史があります。教育が進み、表面的にはLGBTQへの差別をなくそうという動きは世界中で起こってきました。それでも、LGBTQへの偏見は完全に消えたわけではなく、自らのジェンダーをカミングアウトできない人はたくさんいます。

SDGsではすべてのジェンダーが暮らしやすい社会を作ろうとしています。LGBTQの人々がほかのジェンダーと同様に、あらゆる権利を享受でき、幸福を追求できる世界が望まれているのです。

マララ・ユスフザイさんの貢献

SDGsに「ジェンダー平等を実現しよう」という目標が策定されたきっかけとして、マララ・ユスフザイさんの存在は無視できないでしょう。マララさんはタリバン占領下のパキスタンで生まれ育った女の子です。タリバンはイスラム教の原理主義に基づき、女性が教育を受けることを禁止していました。そこで、マララさんはインターネットを通じ、世界中に女性の権利を訴えかけます。彼女の運動は大きな反響を呼び、ついには国連が動く事態になりました。マララさんは2014年、17歳でノーベル平和賞を史上最年少で受賞しています。

マララさんの主張は、世界中で共感を呼びました。2010年代以降のジェンダー平等を訴える運動において、マララさんは中心人物だといえます。そして、2015年に策定されたSDGsでも、ジェンダー平等に関する目標が生まれたのです。

ジェンダー平等実現に向けての取り組みは?各国の事例を見てみよう

あらゆる性別が差別を受けることなく暮らせる社会に向け、世界中で具体的な取り組みが行われています。ここからは、取り組みの内容をわかりやすく紹介していきます。

雇用条件の見直しと女性管理職の登用

女性が社会生活で不利益を被らないためには、当然ながら男性と同等の雇用条件を結ばなくてはなりません。そこで、SDGsの目標5を受け、世界中の企業で雇用条件の見直しが進みました。そして、女性がジェンダーや結婚、出産などの理由で、男性以下の雇用条件を提示される機会は減ってきています。さらに、女性を管理職に登用するうえでのハードルも下げられてきました。たとえば、日本政府は「女性活躍推進法」を施行し、大企業に女性が活躍するための計画、目標を定めるよう促しています。

セクシャルハラスメントの防止

多くの女性を苦しめている暴力に、セクシャルハラスメントが挙げられます。セクハラは女性の尊厳を奪い、本人が望まない形での離職、転職に追い込んでしまう行為です。セクハラが重大なトラウマになり、今後の社会生活に支障をきたす女性も少なくありません。一方で、セクハラの加害者はジェンダーへの理解が乏しく、自らの暴力性に無自覚なケースもあります。そこで、SDGsの目標5を受け、多くの企業や組織がセクハラへの対策を推し進めました。

たとえば、セクハラについての厳罰を設け、行為の深刻さを加害者側に示すことは防止策になりえます。さらに、ハラスメントの専用窓口を設け、女性が迅速に被害を訴えられる環境も整備されてきました。被害を受けた女性のプライバシー保護と、今後の社会生活への影響を抑えることも、彼女たちが所属する企業や組織に求められる取り組みです。

社会通念の改善

歴史上、長きにわたってジェンダー不平等が続いてしまったのは社会通念が固定化されているせいです。「社会は男性中心に動いている」という固定観念があり、女性が企業や行政で活躍しにくい状況が生み出されてしまいました。真の意味でのジェンダー平等を目指すには、社会通念を変えることが必須です。国家としてジェンダー平等を法整備し、「男女同権を目指す」というメッセージを国民に伝える取り組みは有意義だといえるでしょう。さらに、教育現場での啓蒙、企業や組織内での就業規則の見直しも社会通念の改善に関わってきます。

避妊具を入手しやすい社会に

主に発展途上国で問題になっているのが、「避妊具の不足」です。供給量が足りていないうえ、女性が購入できる場所も少なく、結果的に本意ではない妊娠が起こっています。妊娠をきっかけに、仕事や教育をあきらめざるをえない女性も少なくありません。女性の社会進出を促進するには、避妊具の供給や値下げなどを行政が担っていくことが大事です。また、宗教や伝統が、避妊の重要性を教育する妨げになっている地域もあります。こうした状況を変えていくには、公的機関による啓蒙が欠かせないといえるでしょう。

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