sdgs-6-安全な水とトイレを世界中に
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SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」の意味や取り組みについてわかりやすく解説!

「持続可能な開発目標」、通称SDGsは2015年の国連総会で採択されました。SDGsは「誰一人取り残さない」をモットーに、2030年までに達成するべき17の国際目標と、169の達成基準(ターゲット)を設けています。SDGsの目標6は「安全な水とトイレを世界中に」です。今回は目標6の意味・背景・取り組みなどについて、わかりやすく解説していきます。

SDGsの目標6の意味について

SDGsの目標6のテーマは「安全な水とトイレを世界中に」です。「安全な水」とは、水道のパイプで安全に管理されている水のことです。「トイレ」とは、安全に管理された衛生施設全般です。世界中の人々が、自宅や学校などの公共施設で安心して水が飲める、そして清潔なトイレで用を足せる、そうした状態になるように必要なことを進めていくのがSDGsの目標6です。

SDGsの目標6は6つの達成目標(6-1~6-6)と2つの実現方法(6-aと6-b)、計8つの達成基準(ターゲット)を設けています。まず「安全・安価な飲料水の供給」です。全ての人が手頃な飲料水を利用できるように目指します。次に「野外排泄の終了と衛生設備へのアクセス」です。トイレが未整備のために、多くの国の人々が野外排泄を余儀なくされています。とりわけ女児や女性が安心して衛生設備を利用できるよう、必要なインフラ整備をしていきます。

飲料水やトイレの整備と共に重要なのが、水資源を守る取り組みです。それゆえ「水質の改善・適切な廃水処理・水の安全な再利用」も目標の1つとなります。汚染物質や化学物質を減らして、良質な水域の割合を増やしていきます。さらに「水利用効率の上昇と淡水の供給を確保」も重要な目標です。水不足に対処するため、淡水を含めたあらゆる水利用効率を追求していきます。「統合的水資源管理の実施」とは、すべての国の人々が水による経済的・社会的恩恵を公平に享受できるように、国際的に一致団結して協力することです。加えて「水辺の生態系の保護と回復」も行います。山地・森林・湿地など、あらゆる水辺に生息する生態系を維持・回復することで、環境保護をも目指していきます。

以上の目標を達成するための実現方法として、「開発途上国への水と衛生支援の拡大」が必要です。国際協力のもと開発途上国に対して、水質・排水・衛生に関するインフラ・技術・教育を提供していきます。そして「水と衛生管理への地元の関与を支援」も同時に行っていきます。上下水道の管理・運営に地域コミュニティが関わることを支援することで、その地域の持続的な運営体制の構築が可能です。

SDGsの目標6の背景について

人間にとって水は生活に欠かせない資源です。日本国内では安全な水が飲めて、清潔なトイレで用を足せます。しかしながら世界を見渡すと、それがいかに恵まれているかが分かることでしょう。世界人口の3分の1にあたる約22億人は、安全な飲料水の利用ができていません。水道のない国では長時間かけて水をくんだり、汚染された不衛生な水を飲んだりすることを余儀なくされています。安全な飲料水にアクセスできないということは、貧困や病気を引き起こしているのです。

また世界人口の半分以上にあたる約42億人が清潔で安全な公衆衛生サービスを受けていません。そして約6億7千万人が野外排泄をしています。不衛生なトイレや野外排泄は女性にとって暴行を受ける可能性がある危険な場所です。さらに野外排泄は周囲の環境を汚染します。加えて約30億人が基本的な手洗い施設を利用できていません。衛生に関する知識・技術がないため、上下水道の整備がされず、それがさらに周囲の水質を汚染していくという悪循環に陥っています。

さらに今後予想されるのが世界の水不足です。温暖化や気候変動の影響で、干ばつや砂漠化が起きています。また世界の水資源の約3分の1が畜産業のために消費されています。家畜は大量の穀物が必要となり、穀物の生産には大量の水が必要だからです。加えて2050年には世界人口が約100億人になるとされ、水不足の問題はより深刻になっていきます。良質な水域や水資源の使用権をめぐって地域の紛争が勃発しかねません。

水辺に生息する生態系の問題も見過ごせません。農業・畜産業・工業による水の枯渇や水質汚染は、生態系にも影響を与えます。こうした水の問題は、貧困問題・食糧問題・環境問題など世界のあらゆる問題につながっています。したがって水の問題を解決することが、国際社会の安定と平和を生み出します。そしてそれこそが、SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」が制定された背景です。

SDGsの目標6の取り組みについて

2015年SDGsが採択されてから、世界各国は積極的に動き始めました。水と衛生分野に特化した国際NGO「ウォーターエイド」は、アジア・アフリカ・南各国に衛生設備の設置や衛生に関する教育を行っています。また氷河から水を作ったり、大気中から水を作ったりと、様々な方法で生活用水を生成する技術が研究・投資されています。他にも先進国が率先して開発途上国に政府開発援助(ODA)を行い、少しでも水の格差を埋めようと各国が努力をしている最中です。

日本国内でも様々な取り組みが行われています。世界的に見て日本の水環境は優れており、その水処理技術を世界に輸出する「アジア水環境改善ビジネス」が、環境省主導でなされています。また多くのNPO・NGOが立ち上げられました。人材を派遣して井戸を掘る技術を伝授したり、貯水タンク・汲み上げポンプの提供をしたりしています。さらに水がないところでも使えるバイオトイレの開発や、汚染された水を綺麗にする水質浄化剤の開発など、企業による研究も進んできました。1日の水の使用量をモニターに表示して節水に努める企業や、水辺の生態系の保護活動に取り組む企業も続出しています。

身近なことからできること

SDGsの目標6は国や企業だけでなく、私たち個人にも出来ることはあります。シャワーの水を制限したり、浴槽の水を再利用したりすることは節水につながります。洗剤を使いすぎず、料理に使った油を極力下水に流さないことで水質汚染を防ぐことが可能です。また世界の水問題について学び、友人や家族にわかりやすく説明することも大事な啓蒙活動です。多くの人が世界の現状を知り、そして行動することで、SDGsの目標達成を加速させてくれることでしょう。

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