ファッションとSDGsの関係
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SDGsとファッションの関係性は?ファッション業界での取り組みも解説

ファッション業界でもSDGsに関する取り組みが盛んに行われています。ファッションショーでSDGsをテーマとしたファッションが紹介されることもあるほどです。しかし、一見SDGsと無縁に見えるファッション業界でどうしてSDGsに関する取り組みが行われるのでしょうか。ここでは、ファッション業界におけるSDGsに関連する問題点や、SDGsに関連する取り組みについて解説します。

ファッション業界が抱えるSDGsに関連する問題とは

SDGsでは男女平等、人権問題、環境問題など、人類が抱えている様々な問題に対する目標が掲げられています。ファッション業界でもSDGsで掲げられている問題に関連する課題は多いです。それでは、ファッション業界が抱えている、SDGsに関連する問題を紹介します。

環境汚染

私たちが普段着ている衣服の中でも特に安い製品に使われている素材が合成繊維です。この合成繊維の布は石油を用いて作られていますが、綿の3倍二酸化炭素を排出すると言われています。地球温暖化が問題視されて、大手の企業なら二酸化炭素の排出量を減らす取り組みは当たり前に行わなければいけません。しかし、ファション業界では素材の生成時の二酸化炭素の排出量の多さがあまり広まっていないのが現状です。また、合成繊維の洋服はマイクロファイバーでも完全に水に溶けることはありません。そして分解されずに残った衣服を海の生き物たちが食べてしまうことで、海の生態系にも影響を及ぼします。

それだけでなく、洋服を洗うには大量の水を使います。また、洗濯の際には洗剤や服に含まれている化学物質が混ざった水が河川に流れていきます。このように洋服一着を維持するだけでも環境を破壊しており、環境を破壊しない洋服が求められています。

発展途上国の労働問題

多くの洋服は、発展途上国にて安い賃金で雇われた地元の労働者が作っています。また、危険な薬品を適切に扱っていなかったり、職場が倒壊の危険があったりするなど、劣悪な環境で働かされているケースも少なくありません。しかも、洋服の製造を需要に追いつかせるために、長時間労働を強要したり、児童まで働かせたりしている職場も存在します。

特に問題視されているのが安価で購入できるファストファッションです。普段洋服を着ている私たちからすると、安く洋服を買えるというのは魅力的でしょう。しかし、その安さを実現するにあたって削られているのは主に人件費です。ファストファッションが流行する→ファッション業界全体の洋服の製造にかけるお金の相場が下がる→労働者の賃金が下がる、という悪循環ができあがってしまっており、今すぐ見直す必要があるとされています。

サステナブルファッションとエシカルファッション

ファッション業界でSDGsが提唱されるようになってから登場した言葉がサステナブルファッション、エシカルファッションです。まずサステナブルとは英語にすると”Sustainable”、「持続可能な」という意味の言葉です。SDGsにおいてサステナブルは環境に配慮しつつ、未来のために受け継いでいくという意味で使われます。また、エシカルは英語だと”Ethical”、日本語に訳すと「倫理的な」という意味になります。こちらはSDGsにおいては人権や環境などに配慮するという意味で使われます。サステナブルを実現するには人権にも環境にも配慮する必要があります。つまり、サステナブルとエシカルは似たものかつ両立されるべきものとわかります。

ただ、ファッション業界におけるサステナブルとエシカルの意味合いは異なります。まずサステナブルファッションは環境に配慮した面が強いファッションを言います。例えばリサイクルして使える素材を使って長持ちさせ衣服の廃棄を減らす、地元の素材を使って地域活性化に貢献するなど。それに対してエシカルファッションは倫理や道徳などを意識したものを言います。SDGsにおいては人権保護や動物の保護など。具体的には発展途上国の労働環境の改善や動物の毛皮の不使用などが挙げられます。このようにサステナブルとエシカルは似たような意味合いでも、サステナブルファッションとエシカルファッションは別物であることを理解しておきましょう。

ファッション業界のSDGsにおける取り組み

ファッション業界では有名企業を中心にSDGsを意識した取り組みが行われています。それでは、SDGsに関連する取り組みの例を紹介します。

フェアトレード

フェアトレードとは、簡単に言えば商品に適切な対価を支払うという考え方です。特にファストファッションブランドにおいて、商品の低価格化は深刻です。そしてそれに伴って労働者に支払われる賃金も下がっています。そこで商品に対して適切な価値を支払うことで、商品の価値を高め、労働者に支払われる賃金や労働環境の向上も期待できます。

ちなみにフェアトレードで製造された洋服には、国際フェアトレード認証マークやフェアトレード団体マークなどの認証マークが着けられています。私たちも普段からこれらのマークが着けられた洋服を購入するなど意識したいところでしょう。

自然・生き物に優しい素材の使用

洋服を作るのに使われる合成繊維では大量の二酸化炭素が排出されたり、綿でも栽培のために大量の農薬が消費されたりしています。そこで環境を保護するために、素材をオーガニックコットンに切り替える企業が増えています。オーガニックコットンの特徴は、農薬を3年以上使っていない、児童や低賃金などの不正労働が行われていない環境で栽培された綿のことを言います。それ以外にも動物の毛皮を使わないなど、生き物の権利を主張するブランドも増えています。

また、洋服を作る工程で最も環境破壊に繋がると言われているのが染色作業です。染色の際には大量の汚れた水が河川に流れ出ています。そこで企業は無水染色と言って、水を使わない染色技術の向上に力を入れています。

3R(リユース・リデュース・リサイクル)

昔から言われている環境保護の基本である3R。Reuse(リユース)、Reduce(リデュース)、Recycle(リサイクル)の3つで構成され、それぞれ長く使える、廃棄物など環境破壊に繋がるものを抑制する、再利用できるという意味を持ちます。ファッション業界においても、何シーズンも着られるような高品質なものを作って洋服の廃棄を減らす、本来廃棄される端切れ布や糸を使った製品を作る、ペットボトルなどをリサイクルして洋服を作るなどの取り組みが行われています。

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