SDGs投資について
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投資でSDGsの応援ができる?投資とSDGsの関係について

投資はSDGs(Sustainable Development Goals, 持続可能な開発目標)の達成に貢献できる方法の1つとして注目されています。マスコミの報道や政府機関による広報などでも取り上げられる機会が多いため、SDGsへの投資に興味を持っている方も増えているようです。今回はSDGsと投資の関係について説明します。なぜ投資とSDGsが結びつくのか、どういった取り組み方でSDGsへの投資ができるのか、以下でみていきましょう。

SDGsとは何か?

SDGsは国際社会の達成すべき目標の指針のことです。日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。この目標は2015年9月に開催された「国連持続可能な開発サミット」において決定さました。SDGsでは、現在の世界における問題を根本的に解決し、誰一人として取り残されることのないように、2030年までに達成すべき17の目標が設定されています。その内容は、貧困・不平等・格差といった社会の問題だけでなく、気候変動や環境対策など多岐に渡っています。

SDGsが達成できなければどうなるのか?

もしSDGsの達成に向けて誰もが行動を示さなかった場合には、世界はどうなるのでしょうか。その場合は、世界が抱えている問題が悪化していくことが考えられます。例えば、差別やハラスメントの一般化、経済格差・教育格差・少子高齢化といった社会問題の悪化が起きるでしょう。また、環境汚染や生物多様性の喪失、気候変動による自然災害の増加、それに伴う国際紛争の増加も起こると予想されています。

SDGsを達成している国は?

2022年の時点ではSDGsが掲げるすべての目標を達成している国はありません。「Sustainable Development Report 2021」では、各国の達成状況がスコアで示されています。その結果は次の通りです。

順位国名スコア
1フィンランド85.9
2スウェーデン85.6
3デンマーク84.9
4ドイツ82.5
5ベルギー82.2
SDGsの達成スコア上位5カ国

この結果では日本のSDGs達成率は18位(スコア:79.8)でした。達成に近づいている目標が3つほどあるものの、その達成度合いは不十分であるといえるでしょう。

投資がSDGs達成に役立つ理由

2030年までに17の目標を達成するには、社会変革ともいえる壮大な取り組みに挑戦しなければなりません。それには莫大な費用支出が必要です。「国連貿易開発会議(UNCTAD)」の調査によれば、2030年までにSDGsの17の目標を達成するには、年間5兆ドルから7兆ドル必要であると算出しています。しかし、このような莫大な費用を国家だけで支出するのは現実的ではありません。政府支出や政府開発援助(ODA)によって支出できる額面は、年額1兆ドル程にしか過ぎないからです。

では、足りない費用はどのようにして補えばよいのでしょうか。そこで着目されているのが投資家や企業による投資資金です。費用面から見ると、SDGsは投資による費用の捻出なくして達成不可能であるといえるでしょう。

SDGsに投資するメリットとは?

投資資金を集めるためには相応のメリットの提示が必要です。SDGsへの投資にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

自然災害などによる投資リスクの軽減

SDGsの掲げる目標の達成は、社会的・自然的なさまざまなリスクを軽減させるものです。そのためSDGsへの投資は、社会的・自然的なリスクへの対策をほどこす枠組に資金を投入したと考えることができます。例えば、気候変動は台風や洪水など突発的な災害をもたらす危険があります。それによって金融システムや流通システムが停滞したり、資産そのものが減少したりすることもあるでしょう。これらは不可避的な問題といえます。

しかし、企業・自治体などは、リスクに何ら対策を取っていないのであれば、損害責任を問われる可能性があります。しかし、SDGsへの投資が行われていれば、その責任を回避できるかもしれません。このような理由から、SDGsへの投資は投資リスクを軽減する効果があると考えられています。

市場動向やトレンドに従った投資ができる

投資市場というものは、その時々のトレンドによって動きます。つまりは、将来性が高い分野があったとしても、1人が興味を持っただけでは市場は変化しないということです。合理的な投資には、大勢の人が興味を持つ分野に対して適切な時期に適切な量の資金投入をする必要があります。2022年の時点の投資市場は、SDGsに強い興味を示しているといえるでしょう。さらにSDGsの達成目標が2030年となっています。そのため、この市場の興味は2030年までは続くことが予想されています。

投資先としての市場規模の大きさ

2017年までの情報を元にデロイトトーマツが発表したSDGsの各目標における世界市場の市場規模は次の通りです。

目標市場規模(兆円)
1.貧困をなくそう(No Poverty)183
2.飢餓をゼロに(Zero Hunger)175
3.すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-Being)123
4.質の高い教育をみんなに(Quality Education)71
5.ジェンダー平等を実現しよう(Gender Equality)237
6.安全な水とトイレを世界中に(Clean Water and Sanitation)75
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに(Affordable and Clean Energy)803
8.働きがいも経済成長も(Decent Work and Economic Growth)119
9.産業と技術革新の基盤をつくろう(Industry, Innovation and Infrastructure)426
10.人や国の不平等をなくそう(Reduced Inequalities)210
11.住み続けられるまちづくりを(Sustainable Cities and Communities) 338
12.つくる責任つかう責任(Responsible Consumption and Production)218
13.気候変動に具体的な対策を(Climate Action)334
14.海の豊かさを守ろう(Life Below Water)119
15.陸の豊かさも守ろう(Life on Land)130
16.平和と公正をすべての人に(Peace, Justice and Strong Institutions)87
17.パートナーシップで目標を達成しよう(Partnerships for the Goals)試算対象外
SDGsのテーマと市場規模

以上のデータから、もっとも市場規模の小さな「4.質の高い教育をみんなに(Quality Education)」ですら、71兆円もの市場規模であることがわかります。「11.住み続けられるまちづくりを(Sustainable Cities and Communities)」や「13.気候変動に具体的な対策を(Climate Action)」では300兆円を超すほどの市場規模です。そのため、ビジネスチャンスの場としてもSDGsは注目されており、投資先としても魅力的なものとなっています。

SDGsの投資方法!どのような取り組み方がある?

SDGsに投資するにはどのような取り組み方があるのでしょうか。以下で解説します。

SDGs関連企業への投資

SDGsをテーマに事業活動を展開する企業への株式投資は、最も一般的な方法と言えます。ただし、企業がSDGsについてどのような活動をしているかは自分で調べなければなりません。しかし、企業が行っている取り組みを正確に把握するのは容易なことではありません。手軽にSDGsへの投資ができる方法としては、投資信託という方法もあります。投資信託ならSDGsをテーマにした事業者や債権などを、投資のプロが選定してくれます。どちらの方法を選ぶにしろ、銘柄の値動きは定期的に自分の目で確かめるようにしましょう。

グリーンボンドへの投資

環境改善事業の資金調達のために、国家や自治体あるいは企業が発行する債券が「グリーンボンド」です。グリーンボンドは「国際資本市場協会(ICMA)」が策定した規定によって発行されており、集めた資金は再生可能エネルギーの活用・脱炭素化・汚染防止・グリーンビルディングといった事業に使われます。グリーンボンドへの投資は、環境問題を間接的に解決させる方法の1つとして挙げられるでしょう。

支援型の定期預金

定期預金によっては、あらかじめ決められた事業や団体に対して支援ができるものがあります。金融機関にお金を預けるだけでSDGsへの投資ができるため、株式投資や投資信託の購入はハードルが高いと考えている人であっても、気軽に投資ができるでしょう。ただし、外貨預金の場合には定期的に為替レートをチェックする必要があります。

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