京都とSDGsの関係
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SDGsに取り組む京都府の「京都夢実現プラン」とは?京都市、舞鶴市、京丹後市の取り組みも紹介

京都府におけるSDGsの取り組みと「京都夢実現プラン」

京都府は、長い歴史のなかで多様なものを融合させ、伝統や文化を継承し続けてきました。また、SDGsの理念となる「持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」を体現してきた都市といえるでしょう。京都府では、「京都府総合計画(京都夢実現プラン)」を策定し、2040年に実現したい4つの将来像とSDGsについて示しています。

「京都夢実現プラン」とは

「京都夢実現プラン」は、2011年に制定された「京都府総合計画」に改正を重ね、2019年に策定されたものです。2040年を見据えて、京都府の目指す方向性を将来構想や、基本計画、地域振興計画の形で明らかにしています。基本計画の構成は、以下の3つです。

・府民協働で取り組むきょうとチャレンジ:将来像の実現に向けて5つのテーマを選定したもの
・エリア構想:5つのエリアに着目して地域の成長、発展につなげるもの
・分野別基本施策:20の分野ごとに将来像や目標達成の方向性などを示したもの

将来構想の実現を目標に定められた5つのテーマは、以下の通りです。

・子育て環境日本一
・府民躍動
・文化創造
・新産業創造・成長
・災害・犯罪等からの安心・安全

「府民協働で取り組むきょうとチャレンジ」では、各テーマにどのように取り組んでいくかについて到達目標を具体的に示して明らかにしています。また、「エリア構想」で掲げているものは以下の通りです。

・京都舞鶴港の「北部グローカル構想」「京都スタジアムを中核とするスポーツ&ウェルネス構想」
・北山の歴史・文化的史跡の充実を目指す「文化と憩いの交流構想」
・新名神高速道路の全線開通を見据えた「高次人流・物流構想」
・「スマートけいはんな広域連携構想」

「分野別基本施策」で取り上げているのは、「希望あふれる子育て」「安心できる健康・医療と人生100年時代」「脱炭素社会へのチャレンジ」など20の分野です。各分野について、現状分析と課題、今後4年間を見据えた対応方向、具体的方策、数値目標を示しています。また地域振興計画では、山城、南丹、山城・南丹・中丹・丹後の広域振興局ごとに地域特性や将来像を踏まえて、基本的な視点や課題や具体的施策などを示しているのが特徴です。

SDGsの各テーマに関連する京都府の事業

京都府が2023年度の当初予算、6月補正に基づいて行うSDGsの理念を踏まえたさまざまな取り組みを紹介します。府民の命と健康を守り抜く安心の京都の構築ために行われるのは、「ヤングケアラー支援体制強化事業」「災害時避難行動促進事業」です。SDGsの目標のうち、以下の3つの目標に関連しています。

・3.すべての人に健康と福祉を
・11.住み続けられるまちづくりを
・17.パートナーシップで目標を達成しよう

子育てに優しく、誰もがぬくもりを感じられる京都の実現のため行われるのは、「子育て環境日本一推進戦略事業」「京都の未来をつくる『DX人材育成・産業創発』プロジェクト事業」です。上述したSDGsの目標3、11、17のほかに、以下の目標にも関連しています。

・4.質の高い教育をみんなに
・5.ジェンダー平等を実現しよう
・8.働きがいも経済成長も など

また、夢や希望にあふれる魅力と活力の京都の創造を目指して行われるのは「産業創造リーディングゾーン(仮称)構築事業」「脱炭素社会実現加速化事業」です。この事業は、11,17以外で以下の目標に関連しています。

・7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
・9.産業と技術革新の基盤をつくろう
・13.気候変動に具体的な対策を

京都市におけるSDGsの取り組み

京都市では、2021年度から5年間の都市経営の基本となる「はばたけ未来へ!京プラン2025(京都市基本計画)」を定め、SDGsを踏まえた重点戦略を掲げています。また、自然災害や人口減少などの危機に対応し、人々がいきいきと暮らせる都市(レジリエント・シティ)の実現に向けた「京都市レジリエンス戦略」を策定。2021年に内閣府から「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」に選定されたことを受け、「京都市SDGs未来都市計画~千年の都・京都発!SDGsとレジリエンスの融合しなやかに強く、持続可能な魅力あふれる都市を目指して~」も策定されました。SDGs、レジリエンス、地方創生を一体的に推進させることで、市・国内外のSDGsに取り組んでいます。

「京都市SDGs未来都市計画」では、2030年の京都市のあるべき姿を「あらゆる危機を乗り越え、将来にわたって人々がいきいきと暮らせる、魅力と活気にみちた持続可能なきょうとのまち」とし、地球温暖化、人口減少といった課題を解決するための取り組みと目標を紹介しています。例えば、「豊かに暮らせるまち」という将来ビジョンに対して自治体が推進することは、文化庁、京都市立芸術大学の移転や、文化財の保存と活用の好循環の創出などです。これによって、以下のSDGsの目標を実現するとしています。

・4.質の高い教育をみんなに
・8.働きがいも経済成長も
・9.産業と技術革新の基盤をつくろう
・11.住み続けられるまちづくりを

この計画では、以下の年度を節目に目標達成を目指していることが特徴です。

・2030年:SDGsの達成
・2040年:レジリエントシティの実現
・2050年:CO2排出量正味ゼロの達成を掲げ、最終的にSDGsのその先「超SDGs」の未来を目指す

舞鶴市におけるSDGsの取り組み

舞鶴市は、SDGs未来都市推進本部を設置し「SDGs未来都市計画」を推進しています。2022~2024年を対象にした「第2期SDGs未来都市計画」では、将来のビジョンを地域の実態や2030年のあるべき姿、2030年に向けた優先的なゴールやターゲットに分解して分かりやすく説明。例えば、日本海に面した京都舞鶴港があることを踏まえ、2030年には海や港を生かした産業の後進や雇用の拡大を目指し、経済面では京都舞鶴港におけるクルーズ客船来航数を増やすとしています。これにより達成されるSDGsの目標は、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」です。

また、特産品の万願寺甘とうの出荷などで「2飢餓をゼロに」、ICT活用による廃棄物回収や処理の効率化で「12つくる責任つかう責任」など、自治体も積極的にSDGs推進に取り組んでいます。豊かな自然や歴史、文化を生かしながら先進技術を導入するなどして、未来型のスマートな街を目指す取り組み「舞鶴版society5.0」も特徴的です。舞鶴市のモデル事業「便利な田舎ぐらし『ヒト、モノ、情報、あらゆる資源がつながる“未来の舞鶴”』」は、2019年に「自治体SDGsモデル事業」に選定されました。また、2021年には内閣府の「SDGs未来都市」にも選ばれています。

京丹後市におけるSDGsの取り組み

京丹後市は、2021年に内閣府の「SDGs未来都市」に選定されました。その際に策定されたのが、以降3年間のSDGsの取り組みをまとめた「京丹後市SDGs未来都市計画」です。計画では、京丹後市の地域特性、地域資源を紹介し、今後取り組む課題を将来ビジョンとして紹介しています。京丹後市は、山陰海岸国立公園や丹後天橋立大江山国定公園、北近畿最大級のブナ林を有し、「ユネスコ世界ジオパーク地域」にも認定された自然豊かな地域です。遺跡や遺物の発見から、古くは中国大陸や朝鮮半島との交流で栄え、絹織物、機械金属業などの産業が発達しています。

こうした地域の特性を踏まえて、京丹後市が目指す2030年のあるべき姿は「豊かな自然環境と多彩な産業、先端技術が調和した、誰ひとり置き去りにされない、誰もが幸福実感にあふれるまち」です。「かせぐ」「はぐくむ」「ささえる」「つなぐ」の4つの視点で雇用、教育、交通、地球環境などについてSDGs推進の取り組みを推進しています。例えば、SDGsの目標「14.海の豊かさをまもろう」に関しては、市内にある国の天然記念物「琴引浜」が一例です。琴引浜は、鳴き砂や白砂青松の景勝地として知られ、京丹後市の代表的な地域資源の一つ。琴引浜の共生と活用のため、環境保全や海洋汚染への警鐘を鳴らす取り組みを通じて目標達成を目指しています。

参考