株式会社丸井グループのサステナビリティ経営分析(炭素排出量編)
サステナビリティ経営 企業

企業のサステナビリティ経営分析(炭素排出量)ー株式会社丸井グループ2020年

炭素排出量の概要

株式会社丸井グループのスコープ別CO2排出量推移と目標

排出量の割合を見てみると、スコープ3の排出量が大部分を占めています(約80%)。また排出量の推移を見てみると全体的に大幅な減少傾向にあります。
スコープ1に関しては2018→2019年で約8%、2019→2020年で約20%です。
スコープ2はより大幅な減少で2018→2019年は約30%、2019→2020年は約45%です。
スコープ3に関しては2018→2019年は約12%、2019→2020年は約27%です。

年度スコープ1+2スコープ3
2017年3月期118.18483.44
2018年3月期113.10412.26
2019年3月期111.34399.93
2020年3月期81.87352.64
2021年3月期48.95256.68
2030(目標)23.64314.24
株式会社丸井グループのスコープ別CO2排出量の推移と目標値(単位:千トン)

株式会社丸井グループの2030年に向けた脱炭素の目標

株式会社丸井グループでは、脱炭素に関連する目標を以下の2つ定めています。
1. グループ全体のScope 1とScope 2の合計を2017年3月期比80%削減
2. グループ全体のScope 3を2017年3月期比35%削減

各目標による想定される脱炭素効果を算出する

2017年3月期の同社のスコープ1, 2の排出量は約118.2千トンでした。そのため、80%の削減を達成すると約94.5千トンのCO2排出が削減される計算です。これは、日本人の平均的な年間CO2排出量が8.7トン(※)なので約1.1万人分の削減に相当します。
※世界銀行のデータより


また、目標2に関しては2017年3月期の同社のスコープ3の排出量は483.4千トンでした。そのため、35%が削減されると169.2千トンが削減される計算です。これは日本人約1.94万人分の排出量を削減することに相当します。

上記より、同社の目標が2つ達成されると日本人3万人程度のCO2排出量を削減されることが期待できます。

目標に向けた活動

同グループが排出するCO2の8割は電力の利用に起因するものです。そのため、使用電力の削減と使用電力の再生可能エネルギー化を進めています。使用電力に関しては、2030年までに2014年比で46%削減を目指しています。再生可能エネルギーに関しては、2030年までに使用電力の100%を再エネ化することを目標としています。

目標別の実績検証

株式会社丸井グループのCO2削減量実績と目標

1. グループ全体のScope 1とScope 2の合計を2017年3月期比80%削減

2020年度は、スコープ1, 2に関しては2017年3月期比で58.58%の削減を達成しました(前年比では3万トン(56%)削減です)。これはスコープ2の削減による効果が大きく、主な要因は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で店舗が休業したことによる電力使用量の減少や、再生可能エネルギーの導入によるものです。再生可能エネルギーの導入は15店舗・5事業所に拡大し、再エネ使用率は23%から52%に向上しています。(同社は2030年には100%の調達を目指しています。)


目標は「2030年に、グループ全体のScope 1とScope 2の合計を2017年3月期比80%削減」です。この目標を達成するためには毎年6.8千トンの削減量が必要で、計算上は2020年の段階で22.86%の削減が達成されている想定でした。実際、ここ5年の平均削減量を見てみると17.3千トンと想定を上回っています。また2020年の削減率の実績は、2017年3月期比で58.58%の削減と、想定より約35ポイント高い結果でした。このままの推移でいくと目標は8年前倒しで2023年3月期で達成される見込みです。

2. グループ全体のScope 3を2017年3月期比35%削減

2020年度は、スコープ3に関しては2017年3月期比で46.9%の削減を達成しました(前年比では9.6万トン(73%)削減です)。主な要因は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で来店客数が減少したことや、プライベートブランドにおける生産量の適正化によるものです。

目標は「グループ全体のScope 3を2017年3月期比35%削減」です。この目標を達成するためには毎年12.1千トンの削減量が必要で、計算上は2020年の段階で10%の削減が達成されている想定でした。実際、ここ5年の平均削減量を見てみると56.7千トンと想定を大幅に上回っています。また2020年の削減率の実績は、2017年3月期比で46.9%の削減と、想定より約35.9ポイント高い結果ですでに削減目標を達成しています。

まとめ

目標設定に関しては、スコープ1, 2は2030年までに80%削減を目指す等とても野心的です。実績としては、数字上は既に削減目標の1つは達成水準に達していてとても順調に取り組みがなされているように見えます。ただし、その要因が新型コロナウイルスの影響で生産量や店舗の休業・来客数が減少したことでした。そのため、今後もこの削減量が持続可能なのかを注視する必要がありそうです。
・目標の明確さ: o
・目標の野心度合い: o
・アクションプランの明確さ: △
・実績の明確さ: o

参考リンク

・世界銀行:日本人一人当たりのCO2排出量
https://datacommons.org/place/country/JPN?utm_medium=explore&mprop=amount&popt=Emissions&cpv=emittedThing%2CCarbonDioxide&hl=ja
・株式会社丸井グループ「グループ一体ですすめる環境負荷の低減」
https://www.0101maruigroup.co.jp/sustainability/theme03/environment_01.html
・ESGデータブック2021
https://www.0101maruigroup.co.jp/sustainability/pdf/esg/esg2021.pdf