トヨタ自動車株式会社のサステナビリティ経営分析(炭素排出量編)
サステナビリティ経営 企業

企業のサステナビリティ経営分析(炭素排出量)ートヨタ自動車株式会社2020年

炭素排出量の概要

トヨタ自動車スコープ別CO2排出量

排出量の割合を見てみると、スコープ3の排出量が大きな割合を占めています。その中でも「販売した製品の使用」の割合が80%を超えています。その次に影響の大きなものは「購入した製品・サービス」で15%強です。
また排出量の推移を見てみるとスコープ1、2、3全ての区分において、排出量は減少傾向にあります。

トヨタ自動車のスコープ3の内訳(CO2排出量)

トヨタ自動車_CO2排出量スコープ3の詳細

脱炭素の目標

トヨタ自動車株式会社では、脱炭素に関連する目標を以下の3つ置いています。
1.ライフサイクルでのCO2排出量を2013年比で25%以上削減
2.グローバル新車平均CO2排出量(TtW、g/km)を、 2010年比で35%以上削減
3.グローバル工場からのCO2排出量2013年比で35%以上削減

目標の妥当性

目標1はスコープ1,2,3全てに関連する内容であり、対象となる工程も「素材・部品製造、車両製造、物流、利用、リサイクル」と多岐にわたっています。

目標2は同社のCO2排出量で一番大きな割合を占めているスコープ3の「販売した製品の使用」に関連する内容であり効果がとても高そうです。実現されれば年間で9,500万トン強のCO2排出が抑えられる計算です。日本人一人当たりのCO2排出量が8.74トンであるという統計データがあるため、およそ1,100万人弱の排出量を抑えている計算になり、日本全体の排出量の約10%に相当します。

目標3はスコープ1,2に関連する内容であり、過去3年間の平均では500万トン程度のボリュームがあります。そのため、35%の削減が実行されれば175万トン程度の排出が抑えられる計算です。これは日本人一人当たりで換算すると20万人強の排出量が抑えられます。

目標に向けた活動

1. ライフサイクルでのCO2排出量を2013年比で25%以上削減

走行時のみならず、ライフサイクルの全ての過程で発生するCO2排出量を抑えるために開発時における環境マネジメントを推進しています。ライフサイクルの中でも、物流とサプライヤーとの連携に力を入れています。

物流に関しては、日本から海外(特に北米)への輸送時には巨大なLNG船を使った輸送を開始しました。一回の輸送で約7,000台積載可能で、従来の重油を燃料とする輸送船に比べるとCO2の排出量が25〜40%削減されています。その他にも有害ガスの削減に寄与しています。また国内での輸送に関しては、仕入れ先をまたいだ生産部品の共同物流や、他社と連携して完成品の混載輸送を実施・拡大しています。これによって輸送効率の改善に取り組んでいます。また、今後のさらなる脱炭素化として、水素燃料の利用や、25m連結トラックなどの輸送サイズの大型化も実施していく見込みです。

サプライヤーとの連携に関しては、生産拠点や生産技術の省エネ化などを共同して進めています。

3. グローバル工場からのCO2排出量2013年比で35%以上削減

工場では現場レベルでの改善、対策活動を進めています。この結果、2020年は2013年比で22%のCO2削減が実現されました。また、現場レベル以外でも再生可能エネルギーの導入や水素の利活用を進めるなどに取り組んでいます。

まとめ

同社に関しては、目標とそれに対するアクションプランが明確に示されていたのが特徴的でした。目標は単体で見るとインパクトが大きいものばかりでした。しかし、目標と基準値が明確に記載されている箇所が見当たらなかったため、目標の進捗に関する分析ができませんでした。
・目標の明確さ: o
・アクションプランの明確さ: o
・実績の明確さ: x

参考リンク

・世界銀行:日本人一人当たりのCO2排出量
https://datacommons.org/place/country/JPN?utm_medium=explore&mprop=amount&popt=Emissions&cpv=emittedThing%2CCarbonDioxide&hl=ja
・トヨタ自動車株式会社「サステナビリティデータブック2021」
https://global.toyota/pages/global_toyota/sustainability/report/sdb/sdb21_jp.pdf#page=13