COPとは何か?
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COPとは?気候変動枠組条約、京都議定書やパリ協定などとの関係は?歴史についてわかりやすく解説

そもそもCOPとは何か?

そもそもCOPとは「Conference of the Parties」の略で、日本語では「締約国会議」と訳されています。つまり、条約締結国による会議という意味です。

世界にはさまざまな条約があるため、COP(条約締結国による会議)は複数存在します。しかし、その中でもCOPの通称でよく注目を集めているのが気候変動に関する条約締結国による会議で、正式名称を「United Nations Framework Convention on Climate Change(UNFCCC)」、日本語では「気候変動枠組条約締約国会議」と言います。

一般的なCOP(締約会議)の役割は、条約の最高意思決定を行うことです。条約の実施状況の確認をしたり、COPが決定する法的手段を検討したり、より効果的に条約の実施をするために必要な制度的、および行政的な決定を下します。

では今回取り上げている気候変動に関するCOPは具体的に何を行うのでしょうか?最も重要なタスクとしては、各国が提出する報告書と温室効果ガスインベントリ(温室効果ガス排出・吸収量)の情報に基づいて、条約が実現したいゴールに向けた達成状況を評価することです。

COPとは条約締結国が参加する会議です。主に条約実施の状況の確認や、COPが決める法的措置の検討、より効果的に条約を実施するための決定を行います。COPは気候だけが対象ではなく、気候を対象にしたCOPはUNFCCC(国連気候変動枠組み条約)と呼ばれています。

COPの歴史、なぜ始まったのか?

世間一般で認知されているCOPは、正式にはUNFCCC(気候変動枠組条約締約国会議)であることを見てきました。では、このCOPはいかにして始まったのでしょうか。

環境意識の高まりと地球サミット

1970年代始めごろから、人間の活動が地球環境を破壊していることが指摘され始めました。代表的なものとしては、かつてエアコンなどで使用されていたフロンによるオゾン層の破壊、地球温暖化、熱帯林の破壊や生物多様性の破壊などがあります。

そして、1987年には「環境と開発に関する世界委員会」の当時の委員長によって、「持続可能な開発」という概念が提唱されました。これは環境と開発を相反するものとして捉えるのではなく、環境保全を考慮しつつ節度をもって開発を行うことが重要であるという立場で「将来世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させる開発」を提案しています。

こういった地球環境への意識の高まりを背景として1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで「環境と開発に関する国連会議」(地球サミット)が開催されました。この会議では、環境と開発に関する国際的な原則である「環境と開発に関するリオ宣言」や、21世紀に向けた持続可能な開発を実現するための包括的な行動計画である「アジェンダ21」や、森林問題を国際的に協力して解決していくことを目標にした「森林に関する原則声明」が採択されました。また、「気候変動に関する国際連合枠組条約」や「生物の多様性に関する条約」の署名が開始されました。

国連気候変動枠組条約の採択

前述の通り1970年代以降の地球環境への意識の高まりから、1992年に地球サミットが開催され、そこで「国連気候変動枠組条約」への署名が開始されたことを確認しました。

国連気候変動枠組条約は1992年5月に採択され、1994年3月に発効しました。この条約は大気中の温室効果ガス濃度を安定化させることを究極の目標としていて、197の国と地域が参加しています。この条約に基づき1995年から毎年、気候変動枠組条約締約国会議が開催されています。

国連気候変動枠組み条約は1970年の環境意識の高まりを受けて1992年に採択されました。

過去の主なCOP

COPは1995年から毎年開催されています。その中でも特に重要なCOPとして、2020年までの枠組みを定めた「京都議定書」を採択したCOP3と、2020年以降の枠組みを定めた「パリ協定」を採択したCOP21があげられます。

この2つの枠組みは、国連気候変動枠組み条約を実現するために具体的な内容を定めたものです。

以下では、具体的にどういったことが決まったのかをまとめてみます。

京都議定書が採択されたCOP3

COP3は1997年12月に京都で開催されました。このCOPで採択された京都議定書では、2020年までの温室効果ガスの排出削減目標を定めています。具体的には、気候変動枠組条約の目指す「大気中の温室効果ガスを安定させる」という目標達成のために、先進国に対して温室効果ガスの排出削減が義務付けられました。

しかし、この京都議定書の有効性には疑問が投げかけられていました。具体的には、温室効果ガスの削減義務が先進国にのみ課せられていて、開発途上国には課されていないという点です。実際、開発途上国の温室効果ガス排出量が急増しているために、世界の温室効果ガス排出量は京都議定書で排出削減義務を課された先進国からのものよりも、排出削減義務を課されていない中国やインドなどの開発途上国からのものの方が多くなっています。

そして、これを理由にしてアメリカは京都議定書に参加しませんでした。その結果、世界の主要排出国に対して排出削減義務が課されないことになり、京都議定書で世界の温室効果ガスの排出に有効な対策をすることが難しくなってしまいました。

パリ協定が採択されたCOP21

COP21は2015年12月にフランスのパリで開催されました。このCOPで採択されたパリ協定は、前述の京都議定書が抱えていた「温室効果ガスの排出削減義務の有無が国によって異なる」という問題への対応として、先進国・開発途上国の区別なく全ての国に温室効果ガス排出削減等の気候変動対応を義務付けています。

このパリ協定では長期目標として、「世界の平均気温上昇を工業化以前から2度以内に抑える」という、いわゆる「2度目標」が規定されています。しかし、パリ協定で決まったのは大枠のみです。そのため、長期目標を達成するための具体的な実施指針(ルールブック)を決める必要がありました。

主な過去に開催されたCOPについて紹介します。京都議定書やパリ協定が決まったCOP3、COP21が重要なCOPなので決定内容などについて取り上げます。

グラスゴー気候合意のCOP26

COP26は2021年11月にイギリスのグラスゴーで開催されました。このCOPで採択されたグラスゴー気候合意では、パリ協定で努力目標とされていた「1.5度目標」の達成に向けて努力することや、非効率な石炭火力発電の段階的な削減や、非効率な化石燃料補助金の段階的な廃止が合意されました。

またパリ協定の実施方針についても、未決定だった市場メカニズムの実施指針に関しても基本的な点に関して合意をみることができました。

参考

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