二酸化炭素削減目標とは何か?
2015年に採択されたパリ協定では、各国が二酸化炭素の削減目標を5年ごとに提出・更新することを義務化しています。そしてこの国が定める削減目標のことを「国が決定する貢献(NDC)」といいます。
各国の設定する目標やその達成自体はそれぞれに任されていて、法的拘束力があるものではありません。しかし、世界全体としては世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する」という目標を掲げています。
そして、世界的な平均気温上昇を1.5℃に抑えるために、二酸化炭素の排出量を2050年には正味ゼロである「カーボンニュートラル」にする必要があり、2030年時点では2010年に比べて45%削減する必要があります。(「IPCC 1.5℃特別報告書」より)
日本の2030年、2050年の目標は?
2020年に当時の菅総理大臣が、日本も2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言しています。また、2030年の削減目標に関しては、2021年のアメリカ主催気候サミットにおいて「2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減する」ことを表明しています。その後、この削減目標はNDCとして国連に提出されました。
世界各国の目標は?
各国でも2030年に向けた目標の宣言がされています。
全体的な傾向として、ヨーロッパ、北米は日本よりも削減目標が高めに設定されています。しかし、それ以外の国においてはインドが35%、ロシアが30%、韓国が40%、メキシコが最低22%と目標の設定にかなりばらつきがあります。
ちなみに、世界の温室効果ガス排出量のトップ10は以下の通りです。
参考
- 外務省. 「日本の排出削減目標」. https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page1w_000121.html, (参照:2022年9月20日)
- IGES(公益財団法人 地球環境戦略研究機関). 「「IPCC1.5℃特別報告書」ハンドブック 背景と今後の展望 (改訂版)」. https://www.iges.or.jp/jp/publication_documents/pub/policyreport/jp/6693/IGES+IPCC+report_FINAL_20200408.pdf、(参照:2022年9月20日)
- 外務省. 「二酸化炭素(CO2)排出量の多い国」. https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/co2.html, (参照:2022年9月20日)