「PPAの契約は何に気をつけたら良いのだろう?」
こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。PPAは自社所有型の太陽光発電導入とは異なる契約であるため、導入に際しては注意したい点が異なります。
この記事では、安心してPPAの契約ができるように「契約開始前」「契約期間中」「契約期間後」「その他」のそれぞれで確認しておきたいポイントをまとめました。
契約開始前の確認事項
契約期間前の確認事項の概要は以下の通りです。
続く章で特筆すべきポイントをピックアップして詳細に見ていきます。
構造計算書の有無の確認
既存の建物への設置の場合は、構造計算書の有無の確認が必要です。なぜなら後工程で行う構造計算で必要になるからです。
構造計算の担当と時期
構造計算を誰がいつ行うかの確認が必要です。
誰が行うのかを確認する必要がある理由は、構造計算を需要家ではなく施工業者などが実施する場合、PPAのサービス料金に影響を与えるためです。また、実施時期によっては契約書への記載内容が変わってきます。
ちなみに構造計算とは、建造物に太陽光発電の設備を取り付けても大丈夫かということを計算することです。
【工事の範囲と役割】協力義務があるか
工事期間における協力義務を明確にしておく必要があります。
なぜなら工事の前提条件の認識が揃っていない場合には、想定外の工事条件やコストが発生してしまう可能性があるためです。こういった前提として、例えば仮設スペースの設置や、駐車場などの利用のようなものが考えられます。
契約期間中の確認事項
契約期間中の確認事項の概要は以下の通りです。
続く章で特筆すべきポイントをピックアップして詳細に見ていきます。
【課金方法】従量制の場合
従量制の場合は、以下に示すポイントを確認する必要があります。なぜなら、PPAの事業者によってさまざまなサービス形態があり得るためです。
①単価の定義
②固定単価か変動単価か
③従量対象となる数値定義
④従量対象となる数値の計量方法
【サービス内容】保守管理を含むか
設備の保守管理を含むかの確認をする必要があります。
サービスの提供内容としては、主に設備設置(貸与)と電力供給等があります。しかし、設備の保守管理は包含する場合としない場合があるためです。
【契約期間】開始の定義
契約の開始の定義について確認する必要があります。
契約時には工事完了日と運転開始日等が確定しない場合が多いため、サービス開始日は別途定められている必要があるためです。
PPA事業者の設置場所への立入りや追加工事の許諾
契約期間中にPPA事業者が設置場所に立ち入ること、また追加の工事をすることについて許諾を明記しておくことが望ましいです。実際にこれらが行われる可能性があるためです。
【メンテナンス】日常点検
手配や作業負担者と費用負担者を明確にしておく必要があります。なぜなら、手配・作業負担者と費用負担者が異なるケースがあるためです。
【メンテナンス】法定点検
日常点検と同様のポイントを確認する必要があります。
契約期間終了後の確認事項
契約期間中の確認事項の概要は以下の通りです。
続く章で特筆すべきポイントをピックアップして詳細に見ていきます。
満了の場合
満了の場合の選択肢と事前合意期間(通知期限)の確認が必要です。
また満了後に終了撤去する場合は、撤去の作業負担と費用負担を明確にしておく必要があります。
【解約の場合】精算金の計算方法
解約時期ごとの計算式を明確にしておく必要があります。
その他の確認事項
その他の確認事項の概要は以下の通りです。
続く章で特筆すべきポイントをピックアップして詳細に見ていきます。
付帯サービスの費用負担の確認が必要
付帯サービスとして蓄電池やモニターが含まれる場合には、それらの保守や管理などが契約に含まれるかを確認する必要があります。
なぜなら一般的にPPAでは太陽光発電設備に関しての契約であることが多く、付帯サービスの保守・管理・費用負担は契約の範囲外である可能性があるためです。
参考
- 一般社団法人 太陽光発電協会. 「第三者保有モデル(TPOモデル)に関するサービスモデル・契約条件チェックシート」. https://www.jpea.gr.jp/wp-content/uploads/tpo_model_checksheet.pdf. (参照日:2023年1月3日)