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再エネ 太陽光発電

20kWなら300㎡!太陽光発電に必要な面積の目安と計算方法

太陽光発電を導入するとなると、気になるのがどれくらいの設置容量(kW)を導入できるのかですよね。

・自社の所有スペースにはどれくらい導入できるのか。
・20kWを導入したいけど、どれくらいの土地が必要なのか

この記事ではこう言った疑問に答えていきます。この記事を読むことで、必要な土地の目安や、自社のスペースに導入できる設備容量の目安を計算できるようになります。

20kWなら、300㎡必要

環境省が発表した「平成21年度 再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査調査報告書」によると、太陽光発電設備の設置に必要な面積は「1kWあたり15㎡」とされています。

つまり、単純計算では20kWであれば300㎡必要になります。

続く章では、太陽光発電設置スペースを考える際に必要な要素について紹介していきます。

必要な面積は、パネル、外周、パネル間のスペースで決まる

太陽光発電に必要な設置面積は以下の3つの要素から構成されています。
①太陽光パネル
②外周部分
③パネル間のスペース

パネルはメーカーによって、同じ出力でも大きさが違う

パネルサイズは、同じ出力でもメーカーによって異なります。

以下の表は、大手太陽光パネルメーカーの製品の出力と面積を比較しています。出力も大きさ(面積)もそれぞれバラバラだということがわかると思います。例えば、一番右列の「面積 / W」では、出力の原単位あたりの面積を比較していますが、各社ともに値に差があります。

社名型番公称最大出力面積面積 / W
東芝TA60E375WA/H375W1.86㎡0.0049㎡
パナソニックVBM375EA01N375W1.84㎡0.0049㎡
京セラKT375-120HL4375W1.82㎡0.0048㎡
シャープNU-259AM259W1.33㎡0.0051㎡
ソーラーフロンティアSFK190-S190W1.22㎡0.0064㎡
カナディアンソーラーCS3L-375MS375W1.85㎡0.0049㎡
Q cellsQ.PEAK DUO XL-G11.3580W2.74㎡0.0047㎡
徴収産業CS-375K44H375W1.82㎡0.0048㎡

外周は最低でも1m確保する

敷地の端から1m程度はパネルの設置ができないと考えた方が良いです。

なぜなら、メンテナンスのための通路やスペースを確保したり、地上の場合は安全のためにフェンスを周囲に設置する必要があるからです。

太陽光発電のパネル清掃の様子
(出典:神奈川県川崎市. 「既設太陽光パネルの洗浄方法と発電効率に関する実証」)

パネルとパネルの間隔(離隔距離)は、設置するパネルの角度によって変わる

パネルとパネルの間隔は離隔距離と言います。これも、以下2つの観点から必要です。
①メンテナンス用の通路の確保という観点
②平地に設置する場合はパネル同士が影を作ってしまうことを防止する観点

離隔距離の長さは、上記②の観点から、設置するパネルの角度によって異なります。なぜなら、パネルの角度によってパネルの高さが変わるため、それに伴って影の長さも変化するためです。

つまり、角度が急であるほどパネルの高さが高くなるため、長い影ができます。それに伴って、離隔距離も長くなります。

傾斜角を10度上げるごとに、離隔距離は約1.5m必要

傾斜角を10度あげるごとに、離隔距離は約1.5m必要になります。

なぜなら、角度が上がるごとにパネルの高さが高くなり、影も長くなるためです。

以下の表は、離隔距離の目安を示しています。

傾斜角離隔距離の目安
10度1.5m
20度3m
30度4.5m

パネルの発電効率を重視するなら、離隔距離は4.5mにする

パネル一枚あたりの発電効率を重視する場合は、離隔距離は約4.5mにする必要があります。

なぜなら東京都の例で言うと、太陽光パネルの傾斜角を「30度」で設置すると最も発電効率がよいとされているからです。

以下のグラフは、傾斜角を30度にした時を100%とした場合の、それぞれの角度での日射量の変化を示した物です。10度では、30度より約5%効率が落ちるのがわかります。

太陽光発電の設置角度による日射量
(出典:東京都下水道局. 「東京都下水道局 技術調査年報 -2016- Vol.40」)

まとめ

太陽光発電の設置に必要な面積の目安は「1kWあたり15㎡」です。

面積を決める要素としては、以下の3つがあります。
①太陽光パネルのサイズ
②外周部分のスペース
③パネル間のスペース

特に、①と③に関しては工夫できる部分です。詳細は施工業者に問い合わせていただけると、より納得のいくプランで太陽光発電を導入できると思います。

参考