「太陽光発電はメンテナンスフリーって聞くけど、本当にメンテナンス費用がかからないのかな」と心配になったことはありませんか。
結論から言うと、メンテナンス費用が必要になる場合がほとんどです。これは、2017年に法改正があり、一部の設備を除き太陽光発電のメンテナンスが義務付けられたためです。
この記事では、以下の点を解説していきます。
①メンテナンスがなぜ必要なのか
②どういった種類のメンテナンスをする必要があるのか
③その費用はどれくらいか
④業者に頼まずに対応できるのか
メンテナンス・維持は法律で義務付けられている
2017年の改正FIT法により、一部の設備を除き、太陽光発電システムのメンテナンスが義務付けられました。
「一部の設備」とは、出力50kW未満の非FITです。そのためFITを利用していたり、50kW以上の出力がある設備はメンテナンスが必須となったということです。
また、義務化の範囲は対象の設備や環境によって異なります。そのため、専門業者に設備を見てもらいながら対象を決めていく必要があります。
メンテナンスを怠るとどうなるか
改正FIT法でメンテナンスを義務化された設備の場合は、その義務を怠ると最悪の場合FITの認定が取り消される可能性があります。
しかし義務化されているか否かに関わらず、設備の安定性や安全性の観点からも、メンテナンスは実施する必要があると言えます。
安定性観点では、ソーラーパネルに汚れが付着していると発電効率が落ちる可能性があります。あるメーカーによると1%も発電効率が落ちるとされています。
安全性観点では、ソーラーパネルの汚れを放置していると最悪の場合火災になる可能性があります。たとえば、付着した鳥のフンを放置し、パネルの一部が発電できなくなると、「ホットスポット現象」と呼ばれる異常発熱が発生します。これが火災につながる可能性があります。
メンテナンスにかかる費用の紹介
前提として、費用は点検回数や業者などによって変動します。しかし、一般的には相場は設備容量によって以下のように言われています。
・50kW未満の設備:年間10〜15万円
・50kW〜2,000kW未満:年間100〜200万円 / MW
点検の内容を紹介
点検では、発電設備全体をさまざまな観点で確認します。
一例として以下のような項目があります。
・システムの外周に簡単に無関係の人が立ち入れないように柵などの囲いがあるか
・機器や配線などに著しいサビ、腐食、破損がないか
・雑草や衛星放送用パラボラアンテナなどの太陽光を遮る障害物がないか
・配線が規定した場所に正しく固定されているか
メンテナンスの一例を紹介
点検をした結果不具合などが見つかれば、メンテナンスなどで対応を行うことになります。
主なメンテナンスには以下の3つがあります。
①太陽光パネルの洗浄
②草刈り(地上設置型の場合)
③機器設備の交換(故障していたりする場合)
点検・メンテナンスは専門家にお願いしよう
点検やメンテナンスには年間で決して少なくない費用がかかることが確認できました。では、この費用を抑えるために点検・メンテナンスを業者に頼まず、個人や自社で実施することはできるのでしょうか。
結論としては、業者にお願いした方が良いです。なぜなら点検・メンテナンスでは、専門的な知識が必要だったり、電気系統を触る際に感電の恐れなどがあり危険だからです。
しかし例外的に、目視による日常的な機器の異常確認などは業者に頼まなくても行える点検と言えます。
まとめ
この記事では以下の点を解説してきました。
①メンテナンスがなぜ必要なのか
②どういった種類のメンテナンスをする必要があるのか
③その費用はどれくらいか
④業者に頼まずに対応できるのか
太陽光発電はよく言われるようにメンテナンスフリーでは無くなってしまいましたが、設備を長期間安全に安定して使い続けるためにはメンテナンスが不可欠です。
この記事が太陽光発電についての必要な情報を提供できていて、その導入の検討のお役に立てれば幸いです。
参考
- 太陽光発電協会. 「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」. https://www.jpea.gr.jp/wp-content/themes/jpea/pdf/t191227.pdf. (参照日:2023年1月13日)