従来型PPAと余剰電力循環型PPAの比較
再エネ 太陽光発電

導入費用0円の太陽光PPA、余剰電力も有効活用してさらにお得に!

PPAは、太陽光発電の導入コストを抑えられる方法として知られています。しかし、自社保有型の太陽光発電と比べて、経済的なメリットが少ないというデメリットがありました。(自社保有型とは、自社で太陽光発電を導入すること)

しかし、そんなPPAのデメリットを克服する取り組みがあるのをご存知でしょうか?つまり、PPAで導入費用を抑えつつ、余剰電力を売ることを通して経済的メリットを高める方法があるのです。

この記事では、余剰電力を売ることができるタイプのPPAについて、メリット、デメリット、導入した方が良い場合などについて説明していきます。

PPAの余剰電力を活用してさらにお得に太陽光を始められる?

余剰電力循環型PPAとは、PPAによって発生した余剰電力を他の需要家に売電する仕組みのことです。この結果、PPA事業者の収益を向上させ、最終的にはPPA事業者から買い取る電力価格をよりお得にできる可能性があります。

従来のPPAでは、非FITの余剰電力を需要家に供給するのは技術的なハードルが存在していました。そのため、非FITであるPPAの余剰電力をうまく活用できず、PPAの発電電力は全て自家消費する前提の導入が一般的でした。

結果として、設置できる太陽光発電設備の容量は導入側の電力使用量に制限されていました。つまり、電力消費量は少ないが広い設置可能スペースを持った事業者にとっては、利用可能なスペースを最大限活用してPPAを導入することができていませんでした。

そこで、余剰電力を売電可能な「余剰電力循環型PPA」がこの課題を解決するために登場しました。広い設置スペースはあるけど消費電力が少ない事業者が、より経済的なメリットがある形でPPAに取り組めるようになリました。なぜなら、余剰電力をPPA事業者が他の需要家に販売することで売電収入を得ることができ、収益性が上がる分PPA導入側の電力料金も抑えることができるためです。

余剰電力循環型のPPAの事例

余剰電力の有効活用をするPPAは今後注目されている取り組みです。実際、公共部門や民間企業でも取り組みの事例が出てきています。

民間企業部門では、アイ・グリッド・ソリューションズが2021年6月から余剰電力循環モデルでのPPAの導入を開始しています。例えば同社のPPA導入先の一つで、東海地方でホームセンターなどを展開している株式会社バローホールディングスでは、従来型では再エネ比率が26%にしかならなかったのに対して、余剰循環モデルでは86%まで向上させることができました。

公共部門では2021年3月に、横浜市と東京ガスが協力して、市内の公立小中学校65校へのPPAの導入を実施することを公表しています。また、このPPAの余剰電力は地域内の公共施設へ送電することでエネルギーの地産地消を目指しています。

また2021年4月に、沖縄県浦添市と沖縄電力が協力して、環境負荷の低減と災害に強いまちづくりを目的に、浦添市立港川中学校にPPAを導入したことを発表しました。そして、このPPAの余剰電力はFITを利用して売電をする予定です。

浦添市と沖縄電力株式会社のPPA
(出典:沖縄電力「浦添市と沖縄電力株式会社との包括連携協定締結について」http://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2021/210420.pdf

まとめ

PPAのデメリットを克服する方法としての余剰電力循環型PPAをご紹介してきました。ここまで読んでくださったあなたも、PPAのメリットの少なさから導入を諦めていた方も、余剰電力循環型PPAを使って、よりお得な再エネ発電の導入を検討してみませんか。

参考