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再エネ 太陽光発電

太陽光発電で必要な定期報告のやり方を詳しく解説!

FITやFIPの認定を受けることを考えている方は、太陽光発電設備に関して定期的に報告をする必要があることを知っていますか?

この定期報告を怠ると、最悪の場合FITやFIPの認定が取り消されてしまう可能性があります。

でも、ご安心ください。この記事を読めば、定期報告の概要や提出方法がわかります。

提出する必要がある報告は3つ

FITやFIPの認定を受けた事業者は以下の3つの報告を提出する必要があります。
・設置費用報告
・運転費用報告
・増設費用報告

ただし以下の表に示す通り、発電設備の容量によってそれぞれの提出義務が異なります。
太陽光発電の設備容量による報告書の提出義務の分類
※1…経済産業大臣が求めた場合は「運用費用報告」の提出が必要です。
※2…増設後に容量が10kW以上になる場合は「増設費用報告」の提出が必要です。

簡単にまとめると、10kW以上の場合は全ての報告の提出義務があります。しかし、10kW未満の場合は「設置費用報告」以外は必要ない可能性が高いです。

設置費用報告とは

発電設備の設置費用を報告します。設備の設置後に1回だけ行います。

運転費用報告とは

設備の運転にかかった費用を報告します。毎年1回行います。

増設費用報告とは

発電設備の増設費用を報告します。設備を増設後に1回だけ行います。

定期報告を忘れてしまった場合どうなるのか

定期報告を提出しないと、最悪の場合はFITやFIPの認定を取り消される可能性があります。

2018年8月31日付で、資源エネルギー庁から「定期報告に関する指導について」が公開されました。その中で、報告が提出されない場合に「認定を取り消すことがあります」と記載されています。

なお、報告がされない場合、法第15条の規定に基づき認定を取り消すことがありますので、御留意ください。

経済産業省・資源エネルギー庁. https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/announce/20180831_3.pdf

定期報告はいつ出すのか?

報告時期に関しては、前述の三つの報告それぞれで異なります。

ただし、「運転費用報告」は運転を開始した年度の提出は必要ありません。なぜなら、1年間の運転費用を提出する必要があるためです。そのため、最初に「運転費用報告」を提出するのは運転開始年の翌年からということになります。

運転開始が2023年2月1日の場合の例

運転開始日が2023年2月1日の場合のそれぞれの報告の期日は以下のとおりです。
・設置費用報告の期日:2023年3月1日
・運転費用報告の期日:2024年3月末(前年の2月1日〜1月末までの費用を報告します)

定期報告の出し方を解説

定期報告の提出方法は、インターネットから行うことができます。 以下のリンクから、定期報告の提出用のウェブサイトに遷移できます。
https://www.fit-portal.go.jp/ また、インターネットから報告の提出ができない方向けに、郵送でも対応が可能です。この場合は、資源エネルギー庁のウェブサイトから専用のフォームをダウンロードし、指定された宛先に郵送します。 【定期報告書類の様式の取得(資源エネルギー庁のページ)】
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_report.html 【定期報告書類の郵送先】
一般社団法人 太陽光発電協会 JPEA代行申請センター 報告グループ
〒105-0003 東京都港区西新橋2丁目23番1号 第3東洋海事ビル2階
TEL: 0570-07-8210

設置費用報告書の記載項目を解説

報告書作成の際に必要になる項目を説明します。ただし、これ以外にも設置者の住所、代表者名、設備IDといった基本情報も必要になります。 設置費用報告で必要になるのは、以下の項目です。
①設置の状況
②資本費
③遵守事項実施報告
④設置期間情報 以下の章で、それぞれの項目の記載内容について説明します。

設置の状況

設備の設置形態、所有形態、設置場所、運転開始日、撤去費用などを記載します。
撤去費用は認定申請時に記載した額を記載し、もし記載していなかった場合は想定額を記入します。

資本費

資本費は設備の設置に要した諸々の費用を記載します。例えば、太陽光発電システムの設計費用、発電設備の費用、蓄電池の費用、工事費の費用、該当する場合は受給した補助金などです。

遵守事項実施報告

安全対策などの対応状況について報告します。発電設備の周りに第三者が不用意に近づかないように、柵や標識を設けているかについて聞かれます。
柵や塀の設置は設備の大きさに関係なく必要です。ただし、50kW未満の設備に関しては、第三者の接近が困難であると考えられる場合はこの義務を免れる可能性もあります。例えば、設備が屋根に設置されている場合や、そもそも柵で囲われた場所に設置されている場合などです。

設置期間情報

工事の行われた期間について報告します。

運転費用報告書の記載項目を解説

報告書作成の際に必要になる項目を説明します。ただし、これ以外にも設置者の住所、代表者名、設備IDといった基本情報も必要になります。 運転費用報告で必要になるのは、以下の項目です。
①設置の状況
②遵守事項実施報告
③運転維持費
④運転実績情報など 以下の章で、それぞれの項目の記載内容について説明します。

設置の状況

設置費用報告書で記載する内容と同様です。

遵守事項実施報告

メンテナンスなどを実施しているかを記載します。 具体的には、以下の項目について聞かれます。
・日常点検(1ヶ月未満の頻度で実施)
・その他の自主点検(1ヶ月以上の頻度で実施)
・電気事業法に基づく保安規定に定められた点検
・遠隔監視、
・電量のモニタリング
・草刈りなどの清掃

運転維持費

運転維持にかかった費用を記載します。 具体的には、以下の項目について聞かれます。
・報告対象期間
・土地賃借料
 →借地や他社所有の屋根に設置した場合
・修繕費
 →設備の修理交換にかかった費用を対象の機器ごとに記載します
・保守点検費
・事務所経費
 →事務所の維持や各種申請にかかった費用を記載します
・人件費
 →設備運営のためにかかった社員の人件費を記載します。しかし、保守点検に要した人件費や電気主任技術者が社員の場合には、その人件費は保守点検費に記載します。
・保険料
・インターネット通信料
 →出力制御や遠隔監視で要したインターネット回線や無線回線の使用量を記載します。
・法人事業税
・固定資産税
・その他
・リース契約
・出力制御対応
 →設備の設置後に、出力制御対応のために制御ユニットやパワーコンディショナーのソフトウェアの更新を行なった場合に記載します。
・蓄電池設置
 →後日設置した場合に費用を記載します。

運転実績情報など

FITとFIPで記載項目が変わります。 FITであれば、以下のとおり年間発電量と売電量のみを記載します。
FIPの場合は、年間発電量と売電量、売電先、受給管理情報を記載する必要があります。

まとめ

定期報告をするのは一定の手間がかかります。しかし、FITやFIPで得られるメリットはその手間を大きく上回っていると思います。 この記事で説明した内容が、報告の手間を削減する助けにつながり、FITやFIPの導入の手助けになれば幸いです。

参考

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