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太陽光発電

当てはまったら不要かも?太陽光発電に蓄電池を導入するデメリット

太陽光発電でよりメリットを享受しようと思ったら、蓄電池を導入した方が良いという話を聞いたことがあると思います。その時に、気になるのはデメリットはないのかなということですよね。

この記事では、蓄電池を導入するデメリットと、蓄電池の導入が向いていない場合を説明します。

蓄電池を導入するべきか迷ってる方がいらっしゃいましたら、参考にしていただけると幸いです。

蓄電池を導入するデメリット

設置場所として、数m単位の広さが必要

産業用の蓄電池は設置スペースが数m単位で必要になります。産業用は充電できる電力が大きくなる分、電池自体も大きいためです。

例えば京セラとPanasonicの蓄電池について、その容量と寸法を以下に示します。

企業名 商品名 容量(kWh) 寸法(mm)
京セラ EGS-LM1201 12 幅1060×高さ1250×奥行300
Panasonic XLJMH20BKN 20 幅1000×高さ1850×奥行940

数メートル単位でスペースが必要になることがわかると思います。京セラの「EGS-LM1201」の場合は、幅は1.06m、奥行きは0.3m、高さは1.25mです。Panasonicの「XLJMH20BKN」の場合は、幅は1m、奥行きは0.94m、高さは1.85mです。

製品によっては、ある程度まで蓄電池を拡張し、容量を増やすことも可能です。その場合は、単純にこの寸法に導入する設備の数をかけたスペースが必要になります。

設置場所として、風通しがよく湿度が低い場所が必要

設置場所は、風通しがよく湿度が低い場所である必要があります。

なぜなら、パソコンを使い続けていると高温になってしまうことからもわかる通り、蓄電池もある程度発熱します。

そのため、設置場所は風通しがよく湿度の低い場所である必要があることも留意が必要です。

設置場所として、コンクリートなどの丈夫な床が必要

設置場所は丈夫な作りになっている必要があります。

なぜなら、産業用の蓄電池はかなりの重量があるからです。例えば、上図の京セラの商品の場合は200kg程度であり、Panasonicの商品の場合は700kg程度です。

そのため、設置場所はコンクリートなどの丈夫な場所である必要があることも留意すべきです。

1kWhあたりの導入コストが 24.2万円かかる(2019年のデータ)

産業用の蓄電池システムの導入には、数百万円単位でコストがかかります。

2021年に経済産業省が蓄電池の導入コストの調査を行い、その結果を発表しています。資料によると、2019年における産業用蓄電システム「1kWhあたりの導入費用」は、製品費用と工事費を含め、24.2万円でした。

10〜15年で交換が必要になる

定期的に蓄電池の交換が必要になります。なぜなら、蓄電池の蓄電池の寿命は10〜15年と言われているからです。

蓄電池も基本的な構造はスマートフォンやPCのバッテリーと同じです。そのため、スマートフォンなどが充電を繰り返すうちに電池の持ちが悪くなるように、蓄電池も劣化していきます。

蓄電池を導入するのに向いていない2パターン

設置場所が確保できない場合

蓄電池を導入するのに向いていない場合の一つは、その設置場所が確保できない場合です。

前述の通り、蓄電池は数m単位のスペースを必要とします。また、設置場所は丈夫で、蓄電池からの発熱を逃すことができるような風通しの良い空間である必要もあります。

こういったスペースが確保できないと、「向いている or 向いていない」以前に、そもそも設置は難しいです。

太陽光発電の導入に対する投資費用の回収を早めたい場合

蓄電池の導入は、投資効果を重視する場合にはお勧めできません。なぜなら、現状は蓄電池の費用が高すぎるためです。

実際、現状の蓄電池の価格では、投資回収は困難であると言えます。

蓄電池が最も効果を発揮すると、28.4円 / kWhお得

蓄電池で最も効率よく使えると、1kWhあたり28.4円お得になります。

なぜなら太陽光発電で作った電気を使うことで、電気代を払わずに済むため、電気代が丸々削減できるためです。そして、この28.4円というのは、2022年の低圧電力の金額です。(最も高額な契約のプラン)

20kWhの蓄電池を導入して、毎日太陽光発電で20kWh余剰に発電していても回収は難しい

蓄電池設備を導入しても投資費用の回収が困難です。

蓄電池は、20kWhのものを導入すると500万円近く費用がかかります。これを寿命と言われている15年で回収するとなると、年間33万円以上、月になおすと2.75万円の電気代削減ができることになります。

しかし、20kWhの購入電力量を毎日削減したとしても、月に直すと「1.7万円」にしかなりません。

つまり、利益を重視して取り入れるべきものではないのです。

蓄電池のコストのシミュレーション条件は以下の通りです。

項目
蓄電池の導入費用(万円 / kWh) 24.8
蓄電池の容量(kWh) 20
蓄電池の導入費用総額(万円) 496

蓄電効果による収益は以下の条件を使っています。

項目 備考
蓄電量(kWh) 20
電気代(円 / kWh) 28.4 2022年の「低圧電力」の平均金額を参考
蓄電による電気代削減額(円 / 月) 17,040

災害時の非常用電源という観点だと蓄電池の効果が際立つ

電気代の節約など、平時の収益性を考えた場合は蓄電池のコストがまだ高すぎるのであまりお得感がないです。

しかし、非常時の電源として考えると話は別です。非常時には、情報伝達手段の確保や電気の供給が復旧するまでのつなぎとして電気が使えることはとても意義が大きいためです。

まとめ

太陽光発電と蓄電池導入についてデメリットを説明してきました。

蓄電池はまだ価格が高く、収益を重視する場合にはあまり旨みがないと言えます。

ただし、経済産業省では2030年に向けてkWh単価を6万円にすることを目標に定めています。(2019年時点では24.8万円でした。)そのため、今後は蓄電池の事業性も高まっていくのではないでしょうか。また、補助金などを使うことで投資効果を意識した導入も視野に入れられるかもしれません。

蓄電池の導入は収益性の観点ではなく、非常事態への対応という観点からはとても重要性が高いです。そのため、今回の記事が蓄電池の導入について公平な観点から検討ができる一助になれば幸いです。

参考

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