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再エネ 太陽光発電

産業用太陽光発電の平均導入コストは25万円

「太陽光発電を始めたいけど、導入コストが高いらしいからな。。。」と諦めてしまっていないでしょうか。

確かに、太陽光発電を導入するためには初期段階でまとまったお金が必要です。しかし、10年といった長期スパンで見ると収支はプラスになる可能性が高く、またそもそも導入コストを抑えて始めることも可能です。

この記事では、導入コストの相場を紹介し、そのコストを抑える方法や、そもそも採算が取れるということをシミュレーションで示します。

産業用太陽光発電の平均導入コストは1kWあたり25万円

資源エネルギー庁の調査では、2021年に設置された産業用(10kW以上)の太陽光発電設備の設置費用の平均は「25万円 / kW」でした。そのため、20kWの設備を導入する場合には、500万円程度のコストがかかる計算です。

また、設置容量が大きいほど「1kWあたりの導入費用」も少なくなる傾向にあります。

太陽光発電の導入費用(設備費と設置費)
(出典:資源エネルギー庁「太陽光発電について」から筆者作成. https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/073_01_00.pdf

導入コストの内訳は設置費用と設備費用

前述の導入コストに含まれるのは、「設備費用」と「設置費用」です。

「設備費用」には一般的に、以下の機器が含まれます。
①太陽光発電パネル
②パワーコンディショナー
③架台
④接続箱
⑤その他

「設置費用」には以下の工程が含まれます。
①設計
②施工

太陽光発電の導入コストは10年程度で回収可能

太陽光発電の導入によって電気使用量を抑えることができるため、導入コストは10年程度で回収が可能です。

例えば、20kWの設備を導入した際は以下のような試算になります。10年で導入コストを賄える計算です。(実際には、メンテナンス費用などが発生するため多少前後する可能性があります。)

太陽光発電の導入コスト回収までの期間(20kWの場合)

上記の計算の根拠となる数字は以下の通りです。

「②発電設備1kWあたりの年間発電量」は、太陽光発電協会の数字を参考にしています。
「④低圧(電気)の平均販売単価」は、2021年度「低圧(電気)の全国平均値」を使用しています。2022年度の値はそれまでの推移からは異常値になっているため、使用を控えています。ただし、2022年度の値を利用すると、より早い投資回収が見込める試算になります。

導入コストを下げるためにできること

相見積もりを取る

相見積もりを取ることで、より適正な価格での導入が期待できます。

なぜなら、太陽光発電の導入費用は業者によってばらつきが存在しているためです。実際、一般社団法人太陽光発電協会の調べでは、以下の通り「1kWあたりのシステム費用(設備費と工事費)」にばらつきがあることがわかっています。

太陽光発電のシステム費用にはばらつきがある
(出典:経済産業省「太陽光発電の現状と自立化・主力化に向けた課題」https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/079_01_00.pdf

上図は、22社からの回答をもとに、太陽光発電設備の導入費用を容量別にまとめています。オレンジ色のバーは、2023年度のシステム費用です。画像上の「10〜50kW」のグラフからは、一番安い「16万円以下」にも一番高い「22万円以上」にも少なくない割合が存在していることがわかります。

以上のことから、相見積もりを取る重要性を認識していただけたかと思います。

補助金・助成金を使う

補助金や助成金を使うことで導入コストを削減できます。

国や各自治体がさまざまな制度を用意しています。

例えば東京都では、「地産地消型再エネ増強プロジェクト(都内設置)」という助成金を用意しています。内容は以下の通りです。

東京都の太陽光発電導入補助・助成金例
(出典:クール・ネット東京「地産地消型再エネ増強プロジェクト(都内設置)」https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/chisan-zokyo

PPAを利用する

導入コストを全くかけたくない、かつ電気代の節約をメインの目的においていない場合は、PPAがおすすめです。(非常用電源の導入や脱炭素が目的の場合)

PPAでは、電力を必要とする企業がPPA事業者に場所を提供し、PPA事業者が所有する発電設備をそこに設置してもらい、そこから発電された電気を購入する契約形態のことです。

PPAのメリットデメリットに関しては、こちらの記事で解説しています。

まとめ

産業用の太陽光発電導入コストは平均すると1kWあたり25万円です。その内訳は設備費用と設置費用です。

このコストは10年といった長期スパンで考えると十分に回収可能であり、またそもそもの導入コストを抑える方法もいくつかあります。相見積もりを取ったり、補助金を使ったり、PPAという手法を利用することによってです。

この記事が、太陽光発電導入の基準となる情報を提供できて、読者の方がより納得のいく方法とコスト感覚で太陽光発電を始める一助になれば幸いです。

参考

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