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再エネ 太陽光発電

どっちがお得?0円で始める太陽光発電、PPAとリースの違い

導入コストが結構かかってしまうために、なかなか踏み切るのが難しいのが太陽光発電です。しかし、その太陽光発電を0円で始められるのが「オンサイトPPA」と「リース」という方法です。

この記事を読めば、御社にふさわしい太陽光発電の始め方は「オンサイトPPA」か「リース」かを判断できます。

それでは、それぞれの方法の概要と、そのメリットデメリットを解説していきます。

PPAの仕組みは

PPAは、電力販売契約の略で、発電事業者と電力の需要者(「需要家」と言います)が直接電力の購入契約を結ぶことです。

具体的には、需要家が自社の敷地(施設の屋根や空きスペース)を提供し、そのスペースに発電事業者が無償で発電設備を導入し、その設備からの発電電力を発電事業者が需要家に販売する方式のことです。

オンサイトPPAの概要
オンサイトPPAの概要

PPAのメリットデメリットは?

PPAのメリットは初期費用とメンテナンス費用を負担することなく導入することができる点です。またデメリットとしては、長期契約で縛られてしまうことが挙げられます。

メリットデメリットの詳細は以下の記事に記しています。

PPAの料金の目安は

自然エネルギー財団が2021年11月に公表した「日本のコーポレートPPA 契約形態、コスト、先進事例」によると、2021年に契約されたPPAでは「10円 / kWh」で価格が設定されたと推計されています。

これは、高圧、低圧電灯の単価よりも安く、特別高圧と同等な水準です。

2021年度の平均的な電気料金の電圧別比較
(出典:東京電力ホールディングスと自然エネルギー財団から筆者作成 https://www.renewable-ei.org/pdfdownload/activities/REI_JPcorpPPA2021.pdfhttps://www.tepco.co.jp/corporateinfo/illustrated/charge/1253678_6290.html

オンサイトPPAの料金の詳細は、以下の記事に詳しくまとめています。

リースの仕組みは

太陽光発電のリースでは、オンサイトPPAと同様に、需要家は自社の敷地を提供しリース事業社が太陽光発電設備の設置とメンテナンスを行います。需要家はリース事業者に対して設備利用料としてリース料金を支払います。

太陽光発電リースの概要
(引用:環境省「初期投資0での自家消費型太陽光発電設備の導入について〜オンサイトPPAとリース〜」https://www.env.go.jp/earth/kankyosho_pr_jikashohitaiyoko.pdf

リースのメリット

リースによるメリットは、以下の通りです。
・初期費用0円で導入できる
・メンテナンス費用をかける必要がない
・余剰電力を売電することができる

上にあげたリースのメリットの上から2つは、オンサイトPPAのメリットと重なります。しかし、最後の点は異なります。

リースでは、発電された電力は需要家のものです。そのため、余剰電力が出ればそれは需要家が電力会社に売電することができるのです。

リースのデメリット

リースによるデメリットは、以下の通りです。
・自由に交換・処分ができない
・長期にわたる契約になる
・発電がない場合でもリース料を支払う必要がある
・リース資産として管理・計上する必要がある

上にあげたリースのデメリットの上から2つは、オンサイトPPAのメリットと同一です。しかし、下の2つの点は異なります。これは需要家がリース会社もしくは、PPA事業者に支払う料金が何の対価なのかに起因しています。リースでは「太陽光発電の設備の利用料」を支払っているのに対して、PPAでは「電気の利用料」を支払っているために生じる違いです。

「発電がない場合でもリース料を支払う」という点は、例えば梅雨の時期などに発電量が少なくなってしまうなどといった時に問題になる可能性があります。

「リース資産として管理・計上する」という点は、貸借対照表に「リース資産」「リース債務」として計上されるため、一部経営指標が悪化する可能性があります。(しかし、中小企業の場合はこの限りではないようです。)

PPAとリースのメリットデメリット比較

改めてリースとPPAのメリットとデメリットの違いを下の表にまとめます。

上記の表からも分かる通り、両者は初期費用とメンテナンスが不要である点が共通しています。また、長期の契約で縛られる点も同じです。

逆に両者の違いは、それぞれが何に対して料金を支払っているかに起因しています。つまり、オンサイトPPAでは「利用する電気」に対して利用料を支払いますが、リースの場合は「発電設備」に対してお金を支払います。

結果として、両者の差異の一つに余剰電力の取り扱いがあります。オンサイトPPAでは余剰電力は発生しないため、余剰電力の売電は行えません。しかし、リースの場合は余剰電力の売電収入を得られる可能性があります。

その他の差異として、財務面での発電設備の取り扱い方があります。つまり、オンサイトPPAでは資産計上をする必要がないのに対して、リースの場合は通常のリースと同様に資産計上する必要があります。(中小企業の場合はこの限りではないようです)

売電収入を得たいならリースがお勧め

リースとPPAの一番大きな違いは、余剰電力の売電収入の有無です。そのため、売電収入で収益性をより高めたい事業者には、リースの方がお勧めと言えそうです。そのためリースの導入に向いているのは、広いスペースがあり、設置可能容量に対して自社での消費電力が少ない事業者と言えそうです。
(しかし、最近では売電価格が下落傾向にあるため、売電収入を大きく期待することは難しくなりつつあります)

まとめ

ここまでで述べてきた通り、0円で太陽光発電を始める方法として「オンサイトPPA」「リース」の2つがあります。それぞれ15〜20年単位の長期契約になりますが、両者共に初期費用と契約期間中のメンテナンス費用が不要であるという利点があります。初期費用を抑えて太陽光発電を始めたい方は、ぜひオンサイトPPAかリースを検討してみてはいかがでしょうか。

参考